2018.03.16 [ その他 ]
ミラクルで始まったM上の県職員ライフ~デンマークと上伊那で感じた幸せな暮らし~
みなさん、こんにちは。商工観光課のM上(えむかみ)です!
最近ニュースや新聞で「働き方改革」という言葉をよく目にします。
国の政策の中で推進しており注目されていますが、その中でたびたび北欧の働き方や暮らし方も取り上げられているのをみてびっくり!
M上は1年間だけ北欧デンマークに住んでいた経験があるのですが、当時の周りの反応は「デンマークってどこ!?」という感じだったので、日本でも特集されているようになっていて驚いたのです。
この機会にデンマークの暮らし方を思い出しつつ、私なりに上伊那での暮らしを見つめなおしてみました。
1 世界一幸せな国デンマーク
デンマークが世界一幸せな国だということを聞いたことのある人もいるかもしれません。
国連が調査している「世界幸福度ランキング」でデンマークは2016年に1位、2017年は2位にランクインしており、上位国の常連なのです。ちなみに日本はどちらも50位以下という悲しい結果・・・。
また一人当たりのGDPは56,334USD(約598万円)と日本の38,550USD(約409万円)を大きく上回っているのです。(IMF, 2017年10月現在)
精神的にも経済的にも豊かなデンマークですが、その理由の一つがデンマークの古くから伝わる文化「Hygge(ヒュッゲ)」にあるとされています。
Hygge(ヒュッゲ)とは他のどの言語にも置き換えることのできない、デンマーク人特有の概念を表した言葉です。
デンマークの友達にHyggeとは何か聞いてみると「小さいけれど居心地の良い幸せな時間のことだよ。」と言っていました。
説明するのが難しい言葉なので、デンマークの友達がHygge(ヒュッゲ)といったいくつかの例を挙げさていただきます。
Hyggeがどんなものなのかイメージしていただけると嬉しいです。
日本人にとってわかりやすいHyggeの例は家族や友達と過ごす時間です。
デンマークの冬はとても長く、曇りや雨の、暗くどんよりした日々が続きますそんな日はキャンドルに火をともし、ソファーやクッションにもたれかかり、ワインを注ぎながら、親しい友達と気長に他愛もない話を楽しみます
ゆったりと流れる和やかな時間こそがHyggeであり、暗く長い冬を少しでも楽しく過ごすためのデンマーク人のアイディアなのです。
これは、夕食後シェアハウスのみんなで集まって一緒に歌を歌った時の様子です。
みんな「まさにHyggeだね~」と言っていました。
晴れたある日、帰ってきたら外に夕食が用意されていてみんなで一緒に食べました。
淡々とした夕食ではなく、天気に合わせてちょっとしたサプライズや工夫をする、まさにそれがHyggeだそうです。
天気の良い日に外でご飯を食べるのは定番になっていました。
暮らしの中だけではなく、学校でもみんな「Hygge」を大切にしていました。
晴れた日は教室を飛び出してみんなで日向ぼっこ
ベットマットを外に持ち出してまで、日向ぼっこをより快適にする工夫をしているのもHyggeを大切にするデンマーク人ならではのようです。
時間をかけてみんなでたき火をしてマシュマロを焼いたり・・・。
授業の途中で海に行ってぼーっとしたり。
そのたびにHyggeだね~と言っていました。
これらのHyggeは大金を使ったものでも、特別な経験でもないかもしれません。「こんなこと!?」と思ってしまうような日常の中の小さな出来事にもHyggeを探したり、作り出せるのが素敵だと思いました
先ほども書いたように、デンマークの気候はずっとどんよりしていて、とても厳しいです。また、娯楽施設が少なかったり外食が高価だったりするので家にいる時間が長くあります。
そんな環境を少しでも楽しむために「Hygge=小さな幸せ」を作ったり、見つけたりするそんな心の持ち方が冒頭に話題を出したデンマークの豊かさの根源にあるのだと思います。
最近日本では「ワーク・ライフバランス」という言葉をよく聞きますが、デンマークでは「ワーク」と「ライフ」を区切らず、どちらの時間であってもHyggeという考え方を持っているのです。学校に通っていたとき、先生たちが働きながらHyggeを大切にしている様子が印象的でした。
例えば学校に通っていたとき、一日の初めに突然サプライズで「今日授業はなし!」と言われたことがありました。その日は生徒全員でコペンハーゲン市内を旅行したのですが、帰ってきてさらに驚いていたのが、先生たちがドレスアップをしてウェイトレスやソムリエのように生徒たちに食事をサーブしてくれたことですこれには生徒も大歓声!
いつもは生徒が担う食事の片付けもこの日はすべて先生がやってくれました。
これは「生徒をおもてなしする日をつくる」先生たち自身のアイディアだったようです。
その他にも先生の自宅で授業があったり、先生がパーティに参加して一緒に踊ったり、先生との「Hygge」の時間が多くありました。「Hygge」という考え方を持ちながら楽しそうに働く先生たちの姿は素敵でした。
デンマーク人は暮らしの中だけでなく、職場でもHyggeを見つけながら前向きに働いており、結果的にそれが経済的な豊かさにもつながっているのだとそんな気がしました。
2 上伊那でのHygge
さて、デンマークのことばっかり話していると「外国のことでしょ。」と身近に感じてもらえないと思いますが、ここ上伊那でも「Hygge」を持ちながら暮らせると思いました
私の地元でも同じなのですが、上伊那の人がよく「ここはなにもないところだよ」という言葉を口にしているのを耳にします。
デンマークだって上伊那以上に気候は厳しく、東京に比べたら「なにもないところ」ですが、その中でもデンマーク人はHyggeを見つけて毎日を楽しんで生きているのです
私がこれまで上伊那で体験した「Hygge的な体験」をご紹介します。
これは上伊那農業高校さんの鹿肉ジャーキー『でぃあでぃあ』を合庁職員等で試食させていただいた時です。ただ試食するだけではなく、ジャーキーをアレンジした料理を考えてもらったり、上伊那産のお酒を集めてもらったり、『でぃあでぃあ』を楽しむ工夫がたくさんでまさにHyggeな瞬間でした。
秋にシードル解禁に合わせて開催された「シードル・ヌーヴォ」もHyggeでした
地域の人がたくさん集まって旬のシードルやガレットを楽しむ。
Hyggeがたくさんあって、この日はデンマークを思い出していた気がします!
この間紹介させていただいた「ガレットパーティ」もHyggeでした。
ただ食べるだけではなく、「トンボ」を使ってガレットをみんなで作れてとても楽しかったです。
また、外で花を見ながら友達とおいしいものを食べる「お花見」はまさにHyggeだと思います。上伊那は桜の名所がたくさんありますからね
去年は就職したばかりでお花見ができなかったので今年こそは地元のお酒とおいしいご飯をもってお花見に行き、Hyggeしたいと思っています
上伊那でのHyggeを探しているだけで、気持ちがわくわくしてきました。ずっと住んでいると「なにもないところ」と思ってしまうかもしれませんが、少しだけHyggeという視点を加えてみると上伊那には素敵なものであふれていることがわかります。
たまにはコンビニごはんをやめて地域のごはん屋さんへ足を運んだり、仕事後ちょっと寄り道したり、人と集まる時間を作ったり、そんな小さなことが生活をより豊かにしてくれると思います。
上伊那にはおいしいごはん屋さんもたくさんあり、寄り道したくなる自然いっぱいの場所もあり、とっても温かい人がたくさんいます。まさにHyggeを見つけることのできる地域だと思います。
小さいけど居心地の良い幸せHyggeを上伊那の日々の中でみつけてみませんか?
ぜひ上伊那に訪れてHyggeを探してみませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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