い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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魅力満載のローカル線!!飯田線~駒ケ根市編「伊那福岡駅」

調査に訪れた朝、鉄道に詳しい地元のご老人に話を聞くことができました。

当駅の東側と西側にそれぞれ製材工場(現在は西側は、廃墟となっている)があり、また、この一帯は果樹園が広がっていて、昔は果樹の出荷のための貨物列車が盛んであったとのことです。

ご老人から、「ホームの石積のところをよく見てごらんなさい。」と言われました。

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上の写真の駅表示看板の少し先付近をズームしてみました。

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「ホームが三層になっていて、徐々に積み上げられたことがわかるでしょ。(写真中央部の割れ目線左下の部分の)一番下の1段目の層は、伊那電気鉄道の頃のものだよ。当時は、あの高さでよかったこと、また、当時は1輌編成だったので、ホームの位置があそこまでだったんだよ。」と教えてもらいました。

この話を聞いてから、他の駅に取材に行くと、ついついホームをのぞき込んでみるようになりました。結構、昔の遺構が残っているのに驚きました。是非、皆さんも飯田線の駅に降り立った時は、ホームの下を見てください。

 

ご老人が乗る電車が来るまで話が続きました。飯田線におけるイベント列車として、「飯田線に蒸気機関車が走った記録がないのは、急坂や急カーブが多く、実施は難しいでしょうか?」と尋ねました。すると、「昭和18、19年頃、停電になっても走れるようい蒸気機関車が試走したことがあり、その様子を見た覚えがある」というのです。「試走なので記録には残っていないかもしれないよ。でも、この飯田線に蒸気機関車を走らせるとしたら、野辺山を走るB型かな。テンダー式はだめかな。」

(B型、C型、D型というのは駆動輪の数というとわかりやすいでしょう。有名なのがD51(デゴイチ)です。平成20年の信越線120周年イベントにおいて長野駅と黒姫駅間を往復運転しました。競争倍率が高く、乗車券をゲットするのに苦労した記憶が蘇えります。テンダー式とは、蒸気機関車の石炭や水タンクを積む専用貨車タイプのことです。)

上伊那管内には、現在、静態保存されている蒸気機関車が3輌(辰野町、伊那市、駒ケ根市)あります。

 

マニア的にいうと、蒸気機関車の粘着運転の本線最大勾配は40‰というから、理論上は飯田線を走ることは可能らしいですが、JR東海で動態保存している蒸気機関車はなく、飯田線に蒸気機関車を走らせるのは現実的には様々な問題があり難しいようです。

 

もう一つ、このご老人のお父さん(明治34年生まれ)の話として、戦時中、登度研究所(神奈川県:大日本帝国陸軍研究所)から豊川海軍工廠(愛知県)へ書類を持った私服の軍人が乗って移動していたとのことです。また、地元の区誌には、伊那市に建設された軍事飛行場建設のために作業員として動員された人たちが、毎朝、この伊那福岡駅から電車で通っていたことが記されていました。日本史の裏側の話ですが、飯田線の役割というものを感じました。

 

今回は、ひとりのご老人との出会いから、まだ紹介しきれない話もありますが、新しい発見がありました。

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