2019.01.30 [ 林務課 ]
上小地域の森林整備について 後編
こんにちは。上田地域振興局林務課のI,Mといいます。
今回は保安林での作業の様子と整備後を状況を紹介します。
前回の記事と併せて御一読下さい。
ではどのような作業を行ったか、写真を交えながら説明していきます。
森林整備と聞くと、やはり木を切るイメージが強いかと思われます。実際作業の大半を占めるのも伐採の作業であることは事実です。
ですが、森林整備では伐採の前後に大切な作業があります。その伐採の前に当たる作業がこちら。
「選木(せんぼく)」と呼ばれる作業の様子です。どの木を伐採するか選定する作業です。
無秩序に切ってしまえば、当然同じ森林内でも成長に偏りが出てきてしまいます。
そのようなことを防ぐためにも、どの木を切れば林内に光が入るか、切る木の樹形はどうかなど、伐採前に確認していきます。
この作業をしながら伐採を行うわけですが、切った木はそのまま放置、というわけではありません。
伐採の後に当たる作業、「玉切り(たまぎり)」と呼ばれる作業を行います。
実際の作業後の様子です。伐採した木を2~3mの間隔で切り、等高線上に並べて置きます。写真のように、ちょっとした台地が出来上がります。
こうすることで局所的に斜面が緩やかになり、降雨などによる山腹表面の土の動きを止めることができます。
それだけ?と思われるかもしれませんが、表面の土の動きを止めることは、森林本来の機能を回復させるために非常に重要なことなんです。
土が動いている限り、植物の種子などが落ちて発芽しても、その芽はすぐに流されてしまい、いつまでたっても植物が再生しません。
しかし、表土の動きが止められれば芽が流されることも無くなり、植生は極めて回復しやすくなります。その環境づくりというわけです。
また、切った木々もいずれ腐り、そのまま栄養豊かな土壌となるため、無駄がありません。
それでは今回の一連の整備を行った結果を見てみましょう。
〈整備前〉→〈整備後〉で比較していきます。
〈整備前〉 〈整備後〉
林内が明るくなり、土壌まで光が届くようになりました。玉切りと併せて、これからは植生の回復が見込めます。
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