2019.07.03 [ 北アルプス地域の自然・景観・名所その他 ]
ストップ!希少なチョウの違法採集
環境課のKです。
長野県では、県の豊かな生態系を守るため、「長野県希少野生動植物保護条例」を定め、県内に棲息する希少野生動植物から「指定希少野生動植物」として80種類を指定し、うち20種類は「特別指定希少野生動植物」とし、捕獲、採取、殺傷又は損傷は原則禁止とし、その他は、あらかじめ知事に届出が必要となります。
北アルプス地域振興局管内は、条例で指定された希少なチョウたちが生息しており、各地から違法採集する者が絶えません。
そこで、長野県自然保護レンジャーの合同パトロールとして、チョウの愛好家の間で人気のある「クモマツマキチョウ」の違法採集の実態を調査しました。林野庁長野営林局中信森林管理署や東京電力ホールディングス高瀬川事業所、長野県希少野生動植物監視員の方々にも参加していただきました。
大町市内のとある場所に集合です。クモマツマキチョウとその食草であるミヤマハタザオ
について、学習します。
周辺でミヤマハタザオを探し観察します。また、クモマツマキチョウの卵を違法採集
した現場を確認しました。
クモマツマキチョウは、ハタザオ類の花穂の先に卵を産み付けます。それを狙って、
違法採集者は花穂を摘み取るのです。
ミヤマハタザオの盗掘現場を確認します。卵から孵したクモマツマキチョウの幼虫を
育てるため、その食草であるハタザオ類を盗掘して回るのです。クモマツマキチョウ
は県の天然記念物にも指定されており、その生息環境を脅かす許しがたい行為です。
監視員さんの話では、この周辺のミヤマハタザオはかなり減ったそうです。
この奥にも生息地があるとの情報を得て、見回りに行きます。
この奥にもミヤマハタザオが多く生育しており、違法採集者と思われる足跡が複数確認
されました。
今回は、パトロールの時期として少々遅い時期となりましたが、この合同パトロールを
きっかけとして、来年度以降、違法採集をパトロールする人を増やし、監視を強めたい
と思います。
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