2020.12.08 [ その他 ]
甘くておいしい「市田柿」づくりの舞台裏
こんにちは、農業農村支援センターのあっちゃんです。
南信州では、地域の特産品である「市田柿」の出荷が始まりました!
「市田柿」は長野県内で初めて地理的表示(GI)保護制度に登録された、日本一の生産量を誇る干し柿です。
南信州農業農村支援センターでは、市田柿の品質確保や衛生管理について、農家さんへの巡回・指導に力を入れています。今回、当センターの果樹担当T技師が飯田市内の農家さんのところへ巡回に行くので、同行させてもらいました。
農家さんに作業進捗状況を尋ねたところ、今年も順調で、取材時(11月中旬)は収穫した柿の皮をむき、乾燥させるために吊るす作業の追い込みに入っているとおっしゃっていました。
お話しを伺った後、防護服、防護キャップを着用して現場確認を始めました。
まずは皮をむく作業の確認です。柿の皮むきは全自動の機械で行われています。
これが柿むき機です。写真ではわかりにくいのですが、機械の手前に柿を置く台があります。そこに柿を置くと、台が自動で動きピーラーのような刃で皮を自動でむいていく仕組みになっています。
柿むき機を眺めていると、農家さんから「やってみないか?」とのお言葉が。せっかくなので、少しだけ作業をさせてもらいました。
手指を消毒していざ挑戦!機械前の椅子に座り柿を置いていくのですが…、機械のスピードについていくのが大変!しかも、柿を水平に置かないとむき残しが出来てしまいます。すばやく、そして常に水平に柿を置くために、作業をする人にも高い技術や集中力が必要だと感じました。
ちなみに、今回訪問した農家さんは1日に400~500㎏もの柿をむくのだそうです!
続いて柿干場の状況を確認しました。
こちらはビニールハウス内の柿干場です。オレンジ色の柿すだれは圧巻の一言!
柿すだれを眺めていると、農家さんから「せっかくだから、1列吊るしてみないか?」との無茶?ぶりが…お言葉に甘えて人生初の柿すだれづくりに挑戦しました!
再び手指消毒をして、柿を吊るしていきます。写真のとおり黒い部分に柿のヘタをひっかけていくのですが…
簡単そうに見えて意外と難しい。むいた柿は滑りやすく、力がうまく入りません。それでも、農家さんの指導を受けて10分後…何とか完成しました。
自分が柿を吊るしている間、T技師は乾燥の進み具合を確認していました。
単に乾燥させるのではなく、温度や湿度を確認しながらゆっくりと乾燥させることで、甘くぽってりとした市田柿ができ上がります。温度や湿度管理は難しく、高すぎたり、低すぎると渋みが残ってしまいます。また、乾燥中のカビ発生にも気をつけなければなりません。そのため、当センターの普及指導員が農家さんを巡回する際は、特に乾燥時の温度・湿度管理について確認、指導しています。
ほかにも、春や夏には当センターの普及指導員が農家さんのところを訪問して、生育状況の確認を行ったり、農家さんが最適な時期に収穫できるように、硬さや糖度などの成熟状況を調査して結果をホームページなどで周知することもしています。市田柿が販売されるまでには、農家さんの努力はもちろん、当センターの職員によるサポートがあることも知っていただけると嬉しいです。
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