2013.09.12 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
飯田城下を往く ②風越山
飯田の街と言った時、飯田の人であれば誰もが思い浮かべる山があります。
「飯田 美しき町 山ちかく 水にのぞみ 空あかるく 風にほやかなる町 飯田 静かなる町 人みな 言葉やわらかに 物音 ちまたにたゝず 粛然として古城の如く丘にたつ町・・・」
劇作家 岸田國士が「飯田の町に寄す」と題して記した詩の一節ですが、ここにいう「山」とは正にこの山のことを指しています。
【りんご並木にある岸田國士の碑文】
「風越山」(「かざこしやま」あるいは「ふうえつざん」)、またの名を「権現山」。
標高1535m、中央アルプスに連なり、飯田の街をその懐に抱くようにそこにおわします。
【飯田合庁より 雪を冠した冬の風越山 右手前が虚空蔵山】
【同じく飯田合庁より 現在の風越山】
手前にある山「虚空蔵」(こくぞう、標高1130m)やその中腹にある「石灯籠」を含め、飯田の小中学生は誰もが遠足でこの山に登ります。
そして、多くの人が春秋の散策や風越登山マラソン、初日の出の御来光を拝するために風越登山を行います。
毎年6月1日には「風越山を撮ろう」という、定められた時刻(午前11時11分)に様々なアングルからこの山を同時に撮ろうというイベントも行わられ、12回目を数える今年も数多くの作品が寄せられました。
地方事務所所長室に飾られている書に「風越父なる山、天龍母なる川」とありますが、飯田市民にとっては正に父なる山、心のよりどころともいえる山となっています。
見る角度によって、様々な表情を見せる風越山。
大古からずっと飯田の街を見守ってきた山として悠久の時を刻み、多くの市民に愛され親しまれ続けています。
【北側より風越山を望む。黒田人形浄瑠璃伝承館近くより】
【天竜川左岸・竜東より風越山を望む。風の学舎より】
【南側より風越山を望む。飯田運動公園近くより】
<地域政策課>
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