2015.10.26 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
~大鹿歌舞伎に感無量~ 南信州民俗芸能【2015秋】
地域政策課のTHです。
300年余り前から伝わる国選択無形民俗文化財指定の「大鹿歌舞伎」秋の定期公演を鑑賞するため、10月18日(日)大鹿村市場神社にお伺いしました。
自分は、昨年大鹿村役場でお世話になっていたため、2014年秋の定期公演「奥州安達原 袖萩祭文の段(おうしゅうあだちがはら そではぎさいもんのだん)」に家来役として出演させていただいた経験があり、感慨深く鑑賞しました。
この時期の大鹿村は、紅葉がすごく綺麗です。標高差があるため、場所によって見方が変わりゆっくり楽しむことが出来ます。
市場神社に着くと、観客がいっぱい。約1,000人が来場とのこと。
今回の演目は「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段(ごしょざくらほりかわようち べんけいじょうしのだん)」と「神霊矢口渡 八郎物語の段(しんれいやぐちのわたし はちろうものがたりのだん)」の二つ。
あらかじめ、大鹿歌舞伎の楽しみ方と演目のストーリーを知っていると楽しみ方が格段に上がります。倍増間違いなし!
そのためには、大鹿青年団が作成・販売する「豆冊子」がおススメ。役者の皆さんの意気込みや横顔も分かります。そう言えば、自分も昨年の出演した際に、初出演の気持ちを聞かれました…が、出来上がりは少し脚色された(笑)内容でした。
さて、いよいよ歌舞伎の幕が開きました。
一つ目の「弁慶上使の段」は弁慶が忠義のため、自分の娘の首を身代わりに出す物語。
役者がポーズを決めた(見得を切る)場面では一際大きな掛け声とおひねりが投げ込まれます。
上演の合間には、大鹿村や大鹿歌舞伎の魅力を「第十代大鹿さくらの女王」がPR。
続いての「八郎物語の段」は、南朝方の新田家滅亡の物語。
縄が上手く縛れないハプニングやコミカルな役者に場内には笑い声が。何が起こるか分からないのも地芝居の楽しみの一つですよね。
雰囲気を壊さないよう掛け声やおひねりの投げ込むタイミングを計る観客も地芝居の一員。役者と観客の一体感が生まれていました。
役者の皆さんの素顔も知っているだけに、芝居の盛り上がりや皆さんの熱演に感無量。昨年、自分が緊張しっぱなしだったことも思い出されます。
最後はこの場にいる全員で「お手うち」(おシャシャのシャン)をします。本当に最高!
大鹿歌舞伎を支えているのは村民で組織されている大鹿歌舞伎保存会の皆さんです。大夫・役者だけでなく下座、黒子、着付け、大道具等も務めています。また、近年は、東京から大鹿歌舞伎に参加されている方もいます。様々な場面で村民をはじめ多くの皆さんの支えがあっての大鹿歌舞伎だと思います。
南信州には、古来より伝承されるお祭りや芸能が各地に多くあります。皆さんも是非、実際に体感してみてはいかがでしょうか。
PS.平成27年11月15日(日)午前9時30分開場。大鹿小学校体育館で「第22回三遠南信ふるさと歌舞伎交流会~大鹿大会~」が予定されています。三遠南信の地芝居が、南信州大鹿村に集まります。≪行こう!大鹿村へ≫
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