2016.02.25 [信州大学教育学部 森林生態学研究室 准教授 井田秀行さん]
ブナ林×大学准教授 vol.1
- それでブナの研究を。
実は、卒業後は北海道へ行って高山植物の研究をするつもりでした。でも、ブナを研究し始めたら、面白くなってきてしまって。それでそのまま、ブナの研究を続けています。
- ブナの面白さって、どんなところですか?
研究対象に愛着がわくというのは、たぶん多くの研究者がそうなんだと思います。種が芽生えて、成長して、大きいブナの木になって…森も数百年単位で動いている、生きているんだと現場で感じると、愛情が生まれるんですよね。どこがいいのか、って言われると明確には答えられないんですけど。
- 研究って、具体的にはどんなことをしているんですか?
森の中のブナの分布や密度、他の木との兼ね合いなどを調べています。木に目印を付けて毎年測ったり、種や葉っぱを集めたり。
- 結構、地道ですね…。
雪が降ると寒いし、「何で俺、こんなところでこんなことやってるんだろう」ってときどき思います(苦笑)。今は、人工衛星や衛星データを使って調べることもできるようになってきましたが、やっぱり現場に行くことでいろいろ感じるものがあるんですよね。データや写真を見ているだけじゃ思い付かないようなひらめきが生まれたりするので。
- やっぱり、外が好きなんですね。
森の中では、脳が活性化するような気がします。とはいえ、論文にして学会などで発表するのも仕事の一つなので机にも向かわないといけないんですが、でも、正直に言えばずっと現場にいたいです(笑)。
できることなら森の中にずっといたいという井田さん。大学院でもブナの研究を続け、その後、就職に伴い長野県へやってきました。縁もゆかりもなかったという信州へのIターン。そこから研究は、さらに深く、広くなっていきます。
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