2014.09.08 [goat(長野市)代表 山岸惇さん]
長野県をアウトドアの聖地に
スキーやスノーボードといったウィンタースポーツ、カヌーやカヤック、ラフティングなどの水上スポーツ、そしてパラグライダーやマウンテンバイク…。登山以外にも、山にはさまざまな楽しみがあります。「山登りはハードルが高い」という人でも、このような山岳アクティビティは「面白そう…やってみたい!」と思う人も多いかもしれません。
「信州魅力発掘人」、2回目に登場していただくのは「チャレンジ君」こと山岸惇さん。「どんなところでも、いつでも行きます!」という言葉の通り、さまざまな山岳アクティビティにもカメラを片手に同行し、その様子をレポートしています。山岸さんが目指すのは長野県を「アウトドアの聖地」として、日本ではもちろん、世界的にも認知してもらうこと。その思いと活動について、お話を伺いました。
「アウトドアの三種の神器」-情報、体験、コミュニティ
- 山岸さんと山の関わりは?
小さいころからスノーボードをやっていたので、僕にとって「山」=「遊び場」です。最初は山を下ることが面白いと感じていました。ラフティングもマウンテンバイクもやってみたら楽しくてしょうがなくて。そうなると、次はもっと高いところから下りたいという欲求が生まれて、さらには「登頂したい」という思いが出てきました。僕にとって登山はシンプル過ぎて、あまり興味がなかったのですが、遊んでいるうちに「上へ上へ」という意識に変わってきました。今年の1月に厳冬期の赤岳に登ったのが初の本格的な登山です。山へ行くときには常に写真を撮れるように、首からカメラを提げているのですが、景色自体が芸術なので、素晴らしい写真が撮れます。そうなるとますます楽しくなってくる。頂上まで行けば達成感もあるし、いい写真も撮れるということで、「山ってすごい!楽しい!」という感じです。
- ウェブサイト「ナガノアウトドアレジャーガイドgoat」には山岸さんが手掛けた数多くの写真とレポートがありますね。
「goat」は2013年5月からスタートしたプロジェクトです。それまで僕は、出版社や広告代理店、レンタルサーバー会社、飲食店の立ち上げなど職を転々としていたのですが、30歳になったときに「どうしたら自分の知識や経験を活かして、人に喜んでもらえるものを具現化できるか」を真剣に考えました。それが、長野の山の情報を集めて、発信して、皆に知ってもらうことだった。まずウェブサイトを立ち上げて、1年間はひたすら記事をアップすることに力を入れました。とにかく興味があることは全部やりましたね。ダウンヒル、アイスクライミングなどのアクティビティや、アドベンチャーレースの密着など、実際に体験することでスキルも上がり、過酷な状況でも取材できるようになりました。レジャーだけではなく、山で活動している人の最前線を伝えたいと思って、今年は奥穂高岳にある涸沢小屋の小屋開きに7泊8日で密着。トータル5000枚以上の写真を撮りました。本当はそれでも足りないくらいです。濃いんですよ、山の情報は。
- 写真も迫力あるものばかりですよね。記事の反響も大きかったのでは?
読んでくれる人は、最初は記事のことを「すごい」と言ってくれます。それが、記事が増えていくうちに、「すごいところに住んでいるね」「長野ってすごい!」というイメージになっていく。情報が蓄積され、一定の量を越えるとブームになるのだと思います。「聖地」という状況は、情報が作ってくれる。「長野って最強」と思ってもらうことが、僕たちにとっての第一歩です。まず、情報を発信すること。そして次は体験できる場と、コミュニティの場を作ること。この3つを僕は、「アウトドア三種の神器」と呼んでいます。具体的には情報媒体としてのウェブサイト、体験できる場としてのアウトドアフェスティバル、そしてアウトドアグッズを楽しめたり情報交換したりできる交流の場「アウトドア酒場」です。
楽しむことを入口にした「アウトドアの遊園地」
- さまざまな山岳アクティビティが体験できる場が9月13日・14日に行われる「ナガノアウトドアフェスティバル」ですね。
長野の人は、学校登山がトラウマになって何となく山を敬遠している人も多いようですが、僕のようにレジャーから入れば、抵抗なく楽しめると思います。「大変そう」「難しそう」と構えるのではなく、「遊ぶ」なら、とりあえずやってみようと思えるはず。それで楽しければ続けたり、他の遊びにも挑戦したり、自然とそうなると思います。
「ナガノアウトドアフェスティバル」では、どの世代でも楽しめるようなさまざまなアクティビティを用意しています。例えばラフティングはライフジャケットを着用できる4歳くらいからできますし、熱気球体験は、赤ちゃんやペットと一緒でも大丈夫です。
- どのくらいのアクティビティを楽しめるのですか?
40種類以上のものを、一度に楽しめます。生坂村は、北の方向にトレッキングの名所「大城・京ヶ倉」、南方向には「鳥人」たちのメッカとも呼ばれる「スカイスポーツ公園」があります。近くには年間を通して水量が安定している「犀川」が流れています。「山・川・空」全てのフィールドが整っている素晴らしい環境だからこそ、これだけのアクティビティをそろえることができました。
当日、ブースでは地元の「食」も味わえます。お腹がすいた状態で地元のおいしいものを食べることができるなんて、最高ですよね。
- まさに、「Hunger is the best sauce(空腹は最高の調味料)」ですね。
「食」以外にも、アウトドアを核にして、長野のさまざまなものと連携していけるのではないかという可能性を感じています。豊かな自然を守ろう、という環境保全もまずはその場所を大切だと思う気持ちが出発点になると思います。自然の中で遊んで、その場所を好きになれば、大事にしたい、守りたいという気持ちが自ずと生まれるのではないでしょうか。
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