信州魅力発掘人 信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

登山以外にも目を向けることで、山の魅力は深まる

八ヶ岳の山小屋はだいたい2代目・3代目へと受け継がれ、若い世代が中心になっているとのこと。黒百合ヒュッテも米川さんの息子3人のうち2人が継いで運営しています。とはいえ、山岳ガイド協会、蓼科・八ヶ岳国際自然学校、八ヶ岳スーパートレイルクラブなど多岐に渡って活動を続けている米川さん。さまざまな取り組みや最近感じることなどを伺いました。

基礎を身に付けて、それぞれの山の楽しみを

- 以前の山ブームと最近のブームは違いますか?

それは全然違います。以前は、体力があって訓練をした人が登っていましたが、今は練習もせずに登る人も増えました。かっこよさ、快適さ、そしてファッション性。「東京で山のスタイルが決まった」と言われることもあります。ファッションや装備が充実してきたのはいいことですが、それ以外の部分、山岳の基礎知識や基礎体力をしっかり身に付けてほしいと思います。

- そのためにはどうすればいいのでしょう?

最近はインターネットで知り合った人と、一緒に登るという人もいますね。見ず知らずの人がコンビを組んで、事故があったときに相手の名前も住所も知らないということがあったり、グループで登ってきても、食事もテントも別で、各自が一人用のを持ってきていたり。今は山岳ガイドや県の山案内人など教えてくれる人がたくさんいるので、そういう経験者と一緒に歩いてほしいですね。

- 米川さんは、八ヶ岳山岳ガイド協会の設立にも携わっていますね。

八ヶ岳山岳ガイド協会を設立したのは1990年。それまでは歩荷がガイド役を担っていましたが、ガイドという意識は薄く、組織もほとんどありませんでした。海外では、各国の山岳協会に所属している人たちが、きちんとグループを作っている。登山家の長谷川恒夫さんや今井通子さんが呼び掛けて、日本でもガイド協会を作る動きがあったんです。長谷川さんから「八ヶ岳として協力してほしい」と言われたこともあり、八ヶ岳に関わるあらゆる会や仲間に呼び掛けて、県の協力も得て立ち上げました。

- その少し前は、「八ヶ岳自然と森の学校」を開校しています。

蓼科・八ヶ岳国際自然学校の前身となる、「森の学校」を始めたのは1988年です。私たちは朝から晩まで森で過ごしていましたが、高度成長期に入って、森は荒れて子どもたちが遊べなくなってしまいました。子どもたちを森に帰すために、自然を教える学校を作りたかった。ところが、教える先生がいないんですね。困っていたら、ちょうど山岳ガイド協会の話が重なって、協会のメンバーだったら教えられるということになりました。一つのことだけではなく、いろいろなことがつながって、大きく広がっていくものだと思います。

- 八ヶ岳にはロングトレイルコースもあります。

約200キロある八ヶ岳山麓スーパートレイルは、歩いて自然を楽しむことを目的に、登山道や自然歩道、一般道などを連続的につないだコースです。稜線を歩くのもいいですが、八ヶ岳を見ながら山麓を回るというのも楽しいですよ。おいしいもの食べてもいいし、温泉に入ってもいい。途中で図書館に寄ってもいいし、花畑や農作業を眺めてもいい。気が向けば途中から頂上を目指すこともできます。

- さまざまな楽しみ方ができますね。

昔は岩しか登らないとか、ハイキング、高山植物の鑑賞というふうに一つのことをやる人が多かったように思いますが、今は皆さん、幅広く楽しんでいます。最近は山岳マラソンなども人気があります。今後もさらにバリエーションは広がっていくのではないでしょうか。

広く深く、山に思いを馳せる「山の日」に

- 昨年、「信州山の日」が制定されました。

私は県の山の日の選定委員を務めたのですが、その前から「どうして信州なのに山の日がないのだろう」と仲間たちとも話していました。実は「山の日」は隣県の山梨や岐阜、富山をはじめ全国各地にあるんですよ。

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