2016.02.09 [富士見高原リゾート株式会社(富士見町) 営業企画室マネージャー 藤田然さん]
高原リゾート×アウトドア用車椅子 vol.2
2010年夏、世界の「ユニバーサルツーリズム」について調査活動を行っていた中岡亜希さんと出会ったことがきっかけで、富士見高原リゾートの「ユニバーサルフィールド」への取り組みが始まりました。ここからは、藤田さんと中岡さんのお二人に伺います。
ちょっとした工夫や人の手をプラスすることで、誰もが自然を楽しめる
- 藤田さんはイベントで「HIPPO」を見て、すぐに「買いたい!」と思ったんですか?
藤田さん)
はい。でも最初は残念ながらダメでした。1台50~60万円なので、安いものでもないですしね。でも、いつかこういうものを導入する日が来るはずだとも思ったんです。そのときに、中岡さんには「売ることよりも、当たり前に車椅子の人でも野山を楽しめるような環境づくりに、一緒に取り組めるような関係を築きたい」と言われて。
中岡さん)
私自身、20代後半に病気で車椅子の生活になったので、できることができなくなるという辛さや、行ける場所や見られる世界が限られてしまう孤立感を感じてきました。その思いは、私だけじゃなくて周りにいる家族や友達も同じなんです。
- 都市部ではバリアフリーのところが増えましたが、郊外、ましてや山や高原となると…。
中岡さん)
でも、段差をなくしたり、てすりを付けたりという質的なバリアフリーは限界があります。自然豊かなところに、お金をかけて道を作ってしまっては、逆に楽しめないですよね。
- 確かに、そうじゃないって感じがしますね…。
中岡さん)
そうなんです。設備を整えるのではなくて、道具や、ちょっと人の手をプラスすることで「自然を楽しむ」方法があるんじゃないか。そういう思いが私たちが提唱する「ユニバーサル」とう概念のもとになっているところです。
藤田さん)
すぐに「HIPPO」を買うことはできなかったけど、まずは中岡さんに来てもらって、ここで何ができるのかを調べました。「HIPPO」と一緒に、展望台に行ったり、入笠山に登ってみたり。原村の農場で、セロリやキャベツの収穫体験もしました。上高地へ行って、斜度や左右の傾斜、路面状況など、どのくらいのものなら大丈夫かという調査もしました。いつか導入するときのことを考えて、いろいろ試してみたんです。
- あの、もともと藤田さんは「ユニバーサル」に興味があったんですか?
藤田さん)
ここに来る前は、立山や尾瀬の山小屋で働いていて、山が好きだという人に大勢会ってきました。でも、山は「いつまでも行ける場所」じゃないんですよね。私に山の楽しさを教えてくれた人も、年を取ると登れなくなる。そういう姿も見てきました。ここで働くようになってからも、そういう人にたくさん出会いました。皆さん、昔登った山を見にくるんです。
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