信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

生で食べるよりおいしいジャムをつくりたい

「おお!これは!」と思いました。
早速これでジャムができないかと思って、いろんな本を読みました。ちょうどその頃、ヨーロッパでオーミックヒーターというものを紹介していた雑誌があり、それがまさにジュール製法なんですよね。原理はまったく同じようなものなんですが、加熱を連続式にできるように、ヒーターを作ってもらったんです。今でもそのメーカーさんに作ってもらっています。

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―工場を見せていただき、(上の機械の)透明なパイプ状のところに電気が流れていると聞いて驚きました。ジャムの原料がそのパイプの中を通っていくだけで加熱がされていくんですね。何分くらいで加熱されるんですか。

大体3分くらいですね。それくらいで殺菌も終わっちゃうんですね。

―よく、ジャム作りではコトコト煮込んだほうが美味しくなるというイメージがありますが、御社のジャムは、短時間かつ低温で加熱することで、他にはないフレッシュ感を出しつつ殺菌もしているのですね。

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そうですね。できるだけ早く加熱し、できるだけ低い温度で殺菌を終えて、瓶や缶に詰めるんですね。

―3分でジャムができてしまうなんて、御社の技術はすごい。他の会社はやっていないんですか。

たまたま、私がお願いした会社の社長さんが「よそへは売らない」と言ってくださるので。私は別によそへ売らない、なんていう権限は無いものですから、そのおかげで、いまだによそのメーカーさん、同業者には販売していないんですね。

―もうひとつ、テレビCMでもおなじみの「発酵ジャム」。店頭でも見かけますが、これも御社の独自の技術ですよね。

そうですね。今のところは他にはないですからね。

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―発酵と言うのは、何がどう発酵しているのでしょうか。

フルーツや野菜を植物性乳酸菌で発酵させて、それを原料としてジャムを作ります。

―発酵と聞くと、ヨーグルトのようなすっぱいイメージがありあますが、実際食べてみるとそんなことはない。糖分も控えめの美味しいジャム。しかも体にいいというか、健康志向なんですね。

そうですね。
果物は、表面にいろんな酵母を持っているんです。1番代表的なのがワインですよね。葡萄の表面にいろんな酵母が付いているのを潰してワインができるわけですね。
果物についている酵母菌が健康に良いのではないかと思いつき、いちごとりんごとブルーベリーなど、4種類から酵母を取りまして、発酵させてジャムを作ってみたわけです。

―その「発酵ジャム」。アイデアから、商品になるまでは20年ぐらいかかったんですね。

そうですね。私も、酵母をいじるというのは難しくてあんまり自分ではできないのでそのままになっていました。そこで、発酵に関する研究をしていた方に来ていただいて、20年越しの想いが叶い、ついに商品化されたんです。


「安心・安全はもちろん、おいしくて健康にもいいジャムをつくりたい。」デイリーフーズ高松副会長の挑戦は続きます。
「発酵ジャム」はリンゴ、イチゴ、ブルーベリー、ニンジン全4種類。実際に食べてみると、鮮やかな色と香り、しっかり果肉がのこるのはこれまでのジャムと変わらず、口に含むと、まろやかで爽やかな甘みと酸味が広がります。
乳酸菌という言葉から強い酸味を想像していましたが、酸っぱくなく、むしろ風味豊か、という表現がふさわしいジャムです。

高松さんの構想から20年。ようやく完成した「発酵ジャム」は、工業技術総合センター食品技術部門から高波修一さんを招き研究を進めてきたデイリーフーズの自信作です。

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