2012.03.09 [デイリーフーズ(埴科郡坂城町)取締役副会長 高松宏さん]
他社には真似できないジャム作り 「面白くってやめられない」で半世紀
「生で食べるよりおいしいジャムをつくりたい。」78歳という年齢を感じさせない屈託ない笑顔。創業メンバーの一人であり、現在も開発を担当するデイリーフーズ高松宏副会長。「面白くって、やめられない。」
しなの鉄道の「テクノさかき」という駅名が物語るように、ものづくり企業が集積する長野県坂城町。南北に流れる千曲川の西岸、びんぐし山のふもとにデイリーフーズの主力工場があります。1970年の創業時から40年間、この地でジャムを作り続けているデイリーフーズ。
長野県のものづくりの「すごい技」と、その人の魅力を紹介する信州魅力人。デイリーフーズ副会長高松さんの2回目です。
ジャムをつくりながら発電できる?
―「ジュール製法」に「発酵ジャム」。次々とあたらしくておいしいジャムのつくりかたを考えてきた高松さんですが、まだまだ新しいアイデアがあるんですよね?
環境にもやさしいジャムづくりというのが課題です。
そこで、ジャムをつくりながら発電できないか?って考えたんです。
今、新しい技術で、熱を電気に変える仕組みがあります。
これをジャムの冷却のときに使えば、発電しながらジャムがつくれるんじゃないかと。7、8年前に、たまたま「熱電変換素子」というものを秋葉原の電気街で見つけまして、それにずっと凝ってやっています。
―今、頭の中では、熱電変換素子を使った新しい冷却方法を考えられているんですね。
もう、ほぼできています。今は10機近く作って、先日組み立てが終わってまもなくできます。それを使って、12ボルトの直流で熱を取りながら発電する。熱を取ることで発電するんです。その電気を使って、またジャムを作ります。
―面白いですね。熱電変換素子の冷却装置にしても、ジュールの新しい作り方にしても、ほぼ副会長がご自身で研究されたんですね。
研究というか、物好きだからね、私は(笑)そういうものをみると、こんないいものがあるのか、何かに使えないかと思うんですね。そういうものに取り付かれて、もう7、8年になるのではないかと思います。
―失礼ですが、お年は78歳の副会長が、今も秋葉原に行ってこれで発電ができる、という機械を見つけてきたりすることがすごいと思います。今は新しいジャンルも考えているということですが、どんなものでしょうか。
今作ろうとしているのは、食用の「ほおずき」です。テスト品として販売をしたものが評判がいいようです。リピーターがいるんですよね。
―このほおずきは、シロップ漬けですよね。隣にあるのは巨峰のシロップ漬けですね。こういったものを今も作っているのですね。珍しいのは、柿のジャムですね。こういうものも、今も副会長が現場に立って作るんですか。
今でもたまに工場へは行きますよ。さっきも工場に入って作ったんですけどね。試験的に30kgぐらい、材料を作ってやってみたんですけどね。
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