2012.03.05 [シナノ(佐久市)代表取締役 柳澤光宏さん]
グローバルな視点で世界市場へ 中国でも販売「メイドイン長野」ポール
バットの金属音と、野球部員の掛け声が響くグラウンド。
シナノの本社工場は、高校野球や駅伝で全国的にも有名な佐久長聖高校のすぐとなりにあります。
案内された生産工場では、昔ながらの方法で金属の棒からストックやステッキを作り上げていました。シナノの開発ポリシーは「いかに楽しく、安全に使ってもらうか」。
設備はローテクかも知れませんが、最先端企業にも引けをとらない新商品の開発を続けています。
長野県のすごいものづくりとそこに関わる人物の魅力をご紹介する「新・信州魅力人」。スキーポール(他の製品もスゴイ!)のシナノ柳澤光宏社長の3回目です。
―今年もドイツの展示会に出展されるんですね。
過去2年間も出展はしていたんですが、これまでは他の出店者のブースを「間借り」するカタチで展示していました。
今年は、自社で独自の展示ブースをつくります。「シナノの商品を世界へPRしたい」ということで展示方法を大きく変えました。
―「本気の度合い」がこれまで以上ということですね。世界に売りたい商品、ドイツに持っていくのはスキー用品ですか?
スキーのストックと、登山用のストックです。
今回、世界にアピールしたい商品は「グリップ」に特徴があります。
日本では当たり前になっていますが、カタチがより握りやすいようになっている。今回はオリジナリティーがあるものだけを持っていきます。
過去の2年間の反省を生かしているんです(笑)
これまでは、あれもこれも持っていってしまった。今回は、見た目に特徴のあるものを展示してアピールする。「一点突破」です。
―世界に売っていく…ということでは、日本のブランド力、長野のブランド力も含め、シナノの製品が世界でも受け入れられる可能性が大きいということですね。
はい、そう思っています。
これまで2年間やってきてある程度好感触でした。シナノのポールのように独自のものは世界にも無い。
それに「メイドインNAGANO」という部分で、オリンピック開催地として世界でも知名度があります。「会社はどこですか?」「長野です」「長野ってどこですか」「長野オリンピックをやったところですよ」とすぐに理解してもらえる。
ここから世界にビジネスチャンスが広がるつながりができると思っています。
シナノは66年の歴史があります。
1946年、信濃産業として設立し、スキーポールや木工製品の製造をはじめます。
1968年に現在の社名に改め、SINANOはスキーヤーなら誰もが知るブランドになりました。
1990年代をピークに、スキーストックは減少を続けます。1998年、上越市の有沢製作所との合弁会社となったシナノは、1999年に歩行補助用のステッキ製造をはじめました。
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