信州魅力人

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長野でつくって、世界に売る 「ひとがつくるから」簡単には真似できない独自のプレス加工

海外へ行く前に、父親の会社で多少お金を稼ぐために数ヶ月アルバイトをさせていただきました。そのときのものづくりの楽しさというのが、実際にアメリカに行ってみて初めて分かったんです。
「東京行きたい」と進学した大学ですが、結局最後は「信州に戻りたい」と思うのと同じです。
海外に行ったときに「日本の良さ」や「自分の父親の会社の素晴らしさ」「技術の高さ」を初めて知りました。
ですので、私から父親にお願いをしてこの会社に入ったんです。

―アルバイトをしていた時期に、「ものづくりの楽しさに触れた」というお気持ち、工場を見学させて頂き、よくわかりました。現場で働くみなさんは、社長含め、本当に楽しそうですよね。なぜでなんでしょうか…?

課題がいっぱいあるからではないでしょうか。
課題があるから、それを「自分たちで直したい」と思う。それで、直したものが実際にカタチになるんですよね。そのカタチになったものは、いつまでも残っているんです。自分でやったものがカタチに残る仕事・・・これをやった人は本当に楽しいと思うんです。
この「楽しさ」がないと仕事は続きません。

次の課題ができたときに、これは苦労するかもしれないということがあるんですけれども、「楽しさ」が苦労を越えてしまうんでしょうね。

―課題解決という意味で言うと、御社は常に新しいカタチのものを作っていますよね。10年前と同じ部品はないし、10年前と同じ様な作り方はしていない。

日々改善です。
10年前の技術は10年前の技術であって、10年間毎日使って改善された金型というのは10年前とは比べ物にならないほど素晴らしいもの、完成品に近いものになっています。
ただ、我々からすると、それは完成品ではなくて、まだまだ未完成段階です。弊社は生産が終了して初めて完成品であると考えていますので、常に改善、改善しています。

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―海外での経験を活かして、塩尻の地で作っているものを今、海外に展開されようとしていますよね。時代の流れからいうと、低コストの海外でつくった部品を日本で売っていく、というのは分かるのですが。日本で作ったものを海外にというのは、とくに部品づくりでは、なかなかない発想だと思いますが、なぜそんなことができるのですか?

これまで、国内のお客さんをメインでビジネスを展開してきました。
我々の技術というのは国内ではある程度は知名度がありますが、海外へはまだ発信もしていないんですね。
それにも関わらず、ものづくりの現場が移りました、安く作るものづくりのために生産拠点を移します、というのはどうなんでしょう。
まだ海外に販路開拓やPRをしていないこんな会社が、海外でものづくりをしても成り立つわけが無いというのが今の私の考えです。

私はおかげさまで海外へ行かせていただきました。
多少なりとも英語を話して、技術を発信する一人でもあると思っています。
まずはしっかりとベースを構築させて、いかに我々のものづくりが他社と違うのかということをお客様にPRしたい。
もともと「いいものはいい」というのが海外のお客様の考え方です。我々からすれば、国内マーケットだけにこだわらず、技術力をPRできれば、海外マーケットを逆に国内に持ってくることができるだろうというのが考えです。
ただし、それにはしっかりとした技術が無いといけないと思っています。

―技術というと、特にクルマは、ハイブリッドやEV(電気自動車)、低燃費など、スゴい技術が日本にはあるわけですよね。そういう「世界の最先端」を御社の技術が支えている、とも言えますね。

それは、我々にとってもありがたいことですし、誇りに思っています。
最先端の部品を手がけているというのは、日本でこれからやっていく上で1つのキーワードになると思います。


サイベックコーポレーションは、もともと電気・電子部品のプレス加工からスタートしました。
その後、プリンター関連の部品製造の受注をきっかけに、これまでより厚い金属板の加工が可能となる独自の「冷間鍛造順送プレス加工」を開発。1999年に自動車部品の製造をはじめ、現在はほとんどがクルマ関連になっています。

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2012年8月には、新工場が完成予定。一番の狙いは、電気自動車(EV)や燃料電池自動車向けの生産。EV用リチウムイオン電池の「ふた」をプレス加工で安く・早くつくる技術を開発したり、産学連携で小型減速機部品の試作品をメーカーに提供したりするなど、環境対応車の製品開発を強化しています。

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