信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

次世代自動車分野へ大型投資 地下工場でより高い精度を実現

「新・信州魅力人」では、メイドイン信州のすごいものづくり技術や匠の技をご紹介し、ものづくりを支える起業人たちの魅力に迫っています。
独自の「冷間鍛造順送プレス加工」という技術で、自動車部品を中心に業界の先端を走るものづくり企業・サイベックコーポレーション社長、平林巧造さんの2回目。
これまで不可能と言われた立体で複雑な部品を、プレス加工で実現。「早く」「安く」「大量に」クルマのエンジンなどに使われる精密な部品をつくることが可能になりました。
技術の背景には、平林社長のものづくりに対する真摯な姿勢があります。

「冷間鍛造順送プレス加工」は、ものづくりの環境づくりから進化する

―御社で一番こだわっているのはどこですか?

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色々とこだわりはあるのですが、一番のこだわりは「人材」です。
設備にしろ、金型にしろ、色々な技術はたくさんあるのですが、それを生み出しているのは人です。そういう人材がなくしてものづくりはありえないと思っていますので、常に新しいものがあふれるような工場環境や、人が集まる工場、人材育成も踏まえて我々はこだわっております。
そういう意味で、社員を「家族」と呼んでいます。

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―人材があるからこそ、付加価値の高いものづくりが可能なんですね。社長はとてもお若い。でもその若さで70人の従業員「家族」の皆さまを引っ張っていらっしゃる。社長になられたのは、まだ20代でしたよね?

今は32歳になりました。私は2009年に事業継承をして代表になっていますので、その当時は29歳です。これは正直、プレッシャーでした。
70人の社員がいれば、その家族もふくめて2倍以上の方々の生活がかかっていますから、相当プレッシャーです。
ただ、弊社の創業者である父親も29歳でこの会社を創業しました。その当時はオイルショック。私が29歳のときにはリーマンショックがありました。同じ年齢で同じ経済状況なので、運命の巡り合わせではないかと思っています。

―リーマンショックといえば、先代の社長がやっていらっしゃったときは売上約20億円。それが、社長が社長に就任される前後にいきなり16億くらいまで落ち込んでしまいましたよね。工場内や社長の気持ちもドーンと沈むかと思うのですが。

そうですね。今まで作っていたものがいきなりストップするわけですから、やっぱりそれはすごいですよね。
でも、その時に、色々なものに取り組めたというのは大きいですね。しかも、社員と一緒に取り組めた。
私はその当時29歳という若さで代表を仰せつかって、「さて、これからだぞ!」というときにリーマンショック…。そうなってくると、やはり、もう一度社員と基礎からやり直そうだとか、こういう辛い時期だからこそ、「社員は家族」と見直すことができました。

苦難を乗り越え、社員と一丸となったパワーがいま、生きているのではないかと思っています。

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長野県内の経済団体トップや知事らでつくる「ものづくりNAGANO応援懇話会」が、地域に根差したものづくりを続ける企業・団体を表彰する「ものづくり大賞NAGANO」。サイベックコーポレーションは、2010年の第1回でグランプリを獲得しました。

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