自然と遊ぼう!ネイチャーツアー

~自然に触れる、学ぶ、そして守る~ 自然環境や生物多様性、自然体験型ツアーについての情報をお届けします。

中央構造線(日本列島の大きな傷)

前回につづき、伊那谷の有名な断層として中央構造線(ちゅうおうこうぞうせん)をご紹介します。中央構造線は日本列島の西半部を千キロメートル以上にもわたって縦走する大断層です。自分で確かめたことはありませんが、月から地球を眺めると、地表の線状模様としてこの断層の存在がわかるといわれます。断層を境に地質がガラリと変わるため、西南日本の地質はこの断層によって内帯と外帯に二分されます。大鹿村にはこの中央構造線のすばらしい露頭があります。写真は県天然記念物の北川露頭です。天然のさらりとした塩泉がわく鹿塩温泉の北、鹿塩川沿いにあります。大まかには右側の暗くやや緑っぽいところが外帯の結晶片岩類、左側の褐色がかったところが内帯の花崗岩や変成岩類が破砕されたり変質を受けたりした部分になります。



また下は上蔵(わぞ)という地区の風景です。



西南日本外帯に特徴的な(崩壊性)地すべり跡地の地形をじょうずに利用して出来た、美しい集落です。ここには鎌倉時代にまでさかのぼるともいわれる由緒あるお堂が残ります。この夏には村の暮らしと伝統芸能の大鹿歌舞伎を題材にした「大鹿村騒動記」という映画が公開されました。山ふかい大鹿村には、数多くの地学遺産とともに大自然の中で育まれた貴重な歴史や文化があります。詳しく知りたい方は、村の中央構造線博物館を訪ねてみてください。写真に写っている学芸員のKさんが面白い話をたくさん聞かせてくれると思います。

~ 列島の傷にも良けれ 鹿塩の湯 ~

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