自然と遊ぼう!ネイチャーツアー

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南アルプス南部・茶臼岳周辺のライチョウ調査

長野県環境保全研究所では,静岡ライチョウ研究会とともに,南アルプス南部(イザルガ岳~茶臼岳~上河内岳)におけるライチョウの生息状況を調査しています.ここは日本のライチョウ生息域の南限であるとともに,世界のライチョウの南限でもあります.温暖化やシカの問題などがあり,その生息状況をモニタリングしています.
2013年4月26日~29日,静岡ライチョウ研究会の方々とともに,茶臼岳周辺の状況を調査しました.

写真は茶臼小屋(冬期は避難小屋として使用)です.4月末はまだ冬期と同じような状況です.積雪も2~3mあり,小屋は2階近くまで雪で埋まっています.


ここはかなり強烈な風が西からふきます.そのため,尾根の西側には雪がつかず,東側に吹きだまります.


茶臼岳北斜面には,毎年ライチョウのなわばりがひとつできます.ライチョウがいないか確認しているところです.


茶臼岳周辺では,毎年3~4つのなわばりが確認されます.
今回の調査では,天候にも恵まれ,すべての場所をくまなく調査することができました.しかし,なわばりをかまえている雄を確認することはできませんでした.
探し回ったあげく,ライチョウ雌1羽を冬期の生息場所である,亜高山帯上部のシラビソやダケカンバが生育する場所で発見することができました.写真は木の根元で休息しているライチョウ成鳥雌です.
繁殖活動にはいるのはもう少したってからのようでした.
今後も調査を続け,世界最南端のライチョウの生息状況をモニタリングして行きます.

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