2021.01.18 [ 計量検定所 ]
計量検定所日記シリーズ番外編「アルクマの体重が微妙に変わる話」
次に、地球上での重力加速度1Gについて、掘り下げます。
一般に地球上の重力加速度の大きさは、赤道で小さく両極で大きくなり、緯度(北緯・南緯)が上がるに連れて微妙に増加します。
重力加速度G=9.8(m/s2)、細かくは平均重力加速度G=9.80665(m/s2)と定めてはいるものの、低緯度で小さく高緯度で大きくなるのです。
アルクマ、東京出張時に体重計を購入し計量20kg重でしたら、体重計未調整にて札幌へ携行すると指示値は微妙に重く、逆に鹿児島では微妙に軽くなり、その振れ幅はおよそ-0.03%~+0.08%です。
重力は、一般に地表における万有引力とすることが多いのですが、これまた厳密には「地球中心に向かう万有引力と、地球自転により外に向かう遠心力との合力」なのです。
自転の軸上にある北極・南極での遠心力=0、逆に赤道上では遠心力=最大。
よって、北極・南極では、重力=万有引力 → 重力加速度Gが最大
赤道では、重力=万有引力-最大の遠心力 → 重力加速度Gが最小
となり、これが重力加速度Gが微妙に変動する理由です。
ゴタゴタ書きましたが、これら踏まえた計量における「重力加速度Gの影響と対応」は、次のとおりです。
・ 体重計・ばね秤を使用する際は緯度による地域差、即ちGの変動による補正を考慮に入れる。
・ 具体的には、メーカー所在地にて調整・検定を受けた体重計・ばね秤を、その地域で使用する際には、当該考慮は不要である。
・ それ以外の場合では、緯度による変動を秤の自動調整機能を活用して補正した上で使用開始する。
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