松本技術専門校 TSです。
「IoTってよく聞くけど、実際どう使われているの?」
「無線通信って難しそう…でも興味はある!」
そんなあなたにぴったりのスキルアップ講座が、長野県松本技術専門校で開催されました。
講師は、株式会社サーキットデザインの前社長であり、現在も技術顧問として世界を舞台に活躍する小池幸永氏。創業50年を超える同社は、安曇野市に本社を構え、エンジンスターターや無線モジュールなどの開発で国内外から高い評価を受けています。
世界に使われる通信技術として、資源探査、ドローン、重機用アタッチメント、防衛技術等々、無線電波の技術は、最新の専門的な技術が求められています。
今回の講座では、「LPWA(Low Power Wide Area)」という低消費電力・長距離通信を可能にする無線技術を中心に、IoTの基礎から応用までを幅広く学べる内容が展開されました。
特に注目すべきは、LoRa(ローラ)という通信方式。これは、わずか10mWの出力で10km以上の通信が可能という驚異的な技術で、山間部や災害時の通信手段としても注目されています。実際に、信州大学と連携して行われた地下水位の遠隔監視や、スマート農業、動物の位置検知など、地域課題の解決に直結する事例が多数紹介されました。
また、講座では「電波とは何か?」という基礎から、オームの法則、三角関数、デシベル計算、アンテナの特性、ノイズ対策、さらには最新の衛星通信「Starlink」まで、まさに“無線通信の百科事典”とも言える内容が、豊富な実例とともに語られました。
思わず、これは便利だと思った事例をご紹介します。
シナノカメラ工業 雷検知器 雷報(ライホウ)(※小池氏が開発に協力)の紹介時にリアルタイムで雷の発生状況が示されるサイト(雷注意報よりも発生場所がリアルに把握できます)
https://map.blitzortung.org/#5/33.78/-101.75
サル対策:長野県 安曇野市 ANIMAL MAP 設置例
https://www.tracking21.jp/support/usage/animalmap-nagano-azumino/
※雷報の機能の紹介時には、小池氏はチャッカマンを使用し、雷と同様の電磁波が出ていることをお見せいただきました。チャッカマンのスイッチを押すと、雷報のブザーが鳴ります。
また、AIとドローンによる鳥害防止なども紹介され、ワイン用ブドウに鳥が近づくとドローンが自動で起動し、鳥を追い払う実験の動画なども見せていただきました。
「難しい数式も、実際の使い道がわかると面白い!」
「地元企業が世界で戦っている姿に勇気をもらった」
受講者からはそんな声が多数寄せられました。
この講座は、技術者だけでなく、IoTに興味のある学生や地域課題に取り組む自治体職員、農業・林業・防災などの現場で働く方々にもおすすめです。理論と実践が融合した内容で、すぐに現場で活かせる知識が満載です。
次回の開催が待ち遠しいこの講座。
あなたも、長野発・世界基準の技術を学びに来ませんか?
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