今回の「地域の知恵袋インタビュー」のお相手は、株式会社井筒ワイン代表取締役社長塚原嘉章さんです。
井筒ワインは、昭和8年、信州は桔梗ヶ原の地にワイン醸造メーカーとして創業以来、桔梗ヶ原一帯でのブドウの栽培、収穫を背景に醸造から瓶詰めまで一貫して行うワイナリーとして、土地に根ざしたワインの質、価値を追求し、早くからヨーロッパ本来の醸造専用品種の導入にも力を注ぎ、特に桔梗ヶ原産メルロ種ブドウは国際品評会で賞を受けるなど一躍世界的にも認められるワイン用ブドウの産地形成にも大きく貢献してきました。(詳細は井筒ワインホームページへ)
また、塚原さんは信州ワインバレー構想推進協議会副会長ほか、長野県ワイン協会理事長としても活躍されています。
今回、塚原さんから、国産ワイン消費の課題や行政への要望について次のようなご意見・ご提案をいただきました。
①加工ぶどうの振興について。原料ぶどうの単価を上げるには、高価なワインが売れなければならないため、厳選してワインをつくり、消費者にその価値を認めてもらう必要があります。 またはできる限り手をかけず、規模を拡大して生産性を上げていくことが必要で、小規模農地が多い実態をふまえ、生産性が高まる規模の農地に集約しなければなりません。
これには行政的な支援も必要で、現在、国で検討されている農地の中間管理機構は非常によいと思います。
②県では、ナガノパープル等生食用ぶどうの品種開発が積極的に行われていますが、加工用ぶどうについても積極的な開発をお願いしたい。竜眼の収量性、耐病性と味の濃さを兼ね備えたものや、メルローに耐病性、耐湿性を付与したものがほしいと思います。
今年3月に「信州ワインバレー構想」が策定されました。長野県のワイン産業の現状、施策の展開方向、構想実現のための体制、そして10年後の目標が掲げられています。
今回のインタビューを通して、塚原さんもおっしゃっておられましたが、「今後の方向性は、ほとんど網羅されており、今後、具体的にどう推進していくかがポイント。」であると改めて感じました。ご提言・ご要望を踏まえ、生産・加工・流通・販売・消費それぞれの分野でのメリットを明確にした取組内容を具体的に検討する必要があると考えられます。
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