2014.08.15 [ 朝日村 ]
「おひさま」の恵みが農家へ届きました(太陽光発電所完成)
以前このブログでお知らせした、県のモデル事業として朝日村で実施中の太陽光発電施設が完成し、先日90余名の参加のもと、盛大に竣工式が行われました。
【写真1】
朝日村には多くの野菜畑がありますが、野菜作りに欠かせない農業用水は、そのほとんどを遠く梓川から新島々駅の更に上流にある取入れ口【頭首工(とうしゅこう)】から水を引き入れ、長いパイプラインを通って朝日村まで来ています。
ところがスプリンクラーで畑に水をかけるためには、更にポンプを使って水を高いところまで上げたり、圧力をかけたりしています。当然、ポンプを回すためには多くの電気代が必要で、朝日村の約330haの畑に水をかけるために、電気代が年間400万円もかかっていて、農家の方の大きな負担となっていました。
【写真2】
そこで、県の再生エネルギー活用モデル事業として、ポンプ場にある貯水池に屋根をかけ、その上に太陽光パネルを載せて発電し、電気を売ったお金でポンプ場の電気代や施設の維持管理費にあてようと、この施設が作られました。
施設規模は、一枚当たり出力240Wの太陽光パネルを640枚載せて、年間約18万Kwhの電気を発電するもので、これは一般家庭(50A契約)なら大体30軒分の電気をいっぺんにまかなえる大きなものです。
【写真3】
これは「パワーコンディショナー」といって太陽光パネルで発電した電気を送るための大切な機器で、太陽光発電というと発電パネルが注目されますが、こういった周辺機器の進化も発電効率を上げる大きな役割を担っています。
【写真4】
発電以外のもうひとつの効果として、水槽に屋根をかけることによって光が遮られ、以前は水槽内で「藻」が繁殖して、それを吸い上げるポンプやスプリンクラーが詰まってしまうというトラブルも軽減されるといった「一粒で二度おいしい?」ことにもなりました。
【写真5】
【写真6】
竣工式前日の天気予報では「台風直撃!」、それも予定時間には長野県に最接近と大変心配しましたが、当日は行いの良い皆さんが集まったおかげで「台風一過」の晴天のもと、神主さんにお祓いをしていただき、末長く施設が稼働できますように(たくさん発電できますように)皆でお祈りさせていただきました。
【写真7】
施設の前には現在の発電量をリアルタイムで表示するパネルも設置され、農家の皆さんも興味深くご覧になっていました。
【画像8】
さらにこの施設では、インターネットを通じて、リアルタイムの発電量や、日別、月別の発電量、故障の情報などが見られるようになっていますので、普段の点検がとても簡単です。そして毎月振り込まれる電気代を見てニッコリするだけです。
おひさまの恵みは野菜を育てるだけでなく、野菜を育てる経費も助けてくれるようになりました。県では太陽光発電の他に、農業用水路を利用した「小水力発電」事業も研究・実施し、再生可能エネルギーを農業生産に活用できるよう積極的に取り組んでいます。
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