2011.03.17 [■アレ☆これ☆信州]
Vol128■とく☆とく信州 よこね田んぼ
傾斜が多く、平地と比べて農業生産条件の不利な「中山間地域」で、傾斜地に作られた「棚田(たなだ)」。
その地形のため農作業の機械化が難しいことや農家の高齢化などから、一時は耕作放棄地が増え、失われつつありましたが、環境の保全や農村の美しい原風景の維持、農村文化の継承等に果たす役割は大きく、近年、各地で棚田を守っていこうという取り組みが活発に行われています。
農林水産省では、棚田の保全活動推進の一環として、平成11年(1999年)に全国の代表的な棚田134地区を「日本の棚田百選」として認定しました。長野県内では、全国で最も多い16地区が認定されたんですよ。
その中のいくつかを今回から数回にわたりご紹介したいと思います。第1回目は、県の南部に位置する飯田市の「よこね田んぼ」です。
よこね田んぼ
「よこね田んぼ」は、約3haの田んぼが階段状になっている美しい棚田です。その起源は、戦国~江戸時代と言われています。「よこね」という名の由来は、地名が「よこね」だったとか、田んぼの形が横長に曲がりくねっていたため「横畝(よこうね)田んぼ」と呼ばれていたとか言われていますが、はっきりしません。
平成に入った頃から耕作放棄地が増えてきたため、平成9年に地元で棚田を守っていこうという活動が起こり、現在は、地元住民で組織する「よこね田んぼ保全委員会」とボランティアからなる「よこね田んぼ守り隊」が力を合わせて棚田を守っています。
畦塗り
春になると、田植えの準備として「畦塗り」作業が行われます。田んぼの水漏れを防ぐために、こねた泥を畦に塗り付けていくんですが、これがなかなかの重労働。
「よこね田んぼ守り隊」の活躍できれいに仕上がった田んぼの畦は、テカテカに光っています。
田植えは、昔ながらの手植えです。「よこね田んぼ守り隊」のほか、地元の児童たちや県外からの修学旅行生までが参加して、苗を丁寧に植え付けていきます。
田植え
青々とした稲穂が風になびく夏、「かかし作り」が行われます。衣装から小道具までこだわって作られたかかし達が、大切な棚田のお米を秋の稲刈りまで守ります。
よこね田んぼのかかし
稲刈りも手作業です。だれでもできる作業ではありますが、地元の農家の方は刈り取りのペースが格段に速く、「さすが~」といった感じです。
作業のあとは、お楽しみの「収穫祭」。五平餅や豚汁、おでんやモツ焼きなどが振る舞われます。身体を動かした後なので、おいしさも格別♪
稲刈り
「よこね田んぼ守り隊」に参加してみたいという方は、年4回のイベント(畦塗り、田植え、かかし作り、稲刈り・収穫祭)当日に直接現地へ行くだけで簡単に参加できますよ(もちろん毎回でなくてもOK)。
あらかじめ詳細を確認したい場合はこちらまでどうぞ。
【よこね田んぼ保全委員会事務局】
飯田市役所千代自治振興センター
電話:0265-59-2003
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