2013.03.14 [■四季彩だより~信濃の国から~]
<VOL.221>四季彩だより~信濃の国から~
少しずつ寒さも和みだした3月も半ば。
通勤途中の川辺の土手にも、枯草の間から草花の新芽がちらほらと顔を出し始めました。
川の流れの音からも春めいた響きが感じられるようになり、春は確実にそこまでやって来ています。
今回は、断崖絶壁に観音様が安置されている寺院の紹介です。
(断崖絶壁に立つ)
雄大な浅間山の南斜面に広がり、中央部に千曲川が流れる自然豊かで歴史と文化のかおる高原都市である小諸市に、今回紹介する布引観音(ぬのびきかんのん)があります。
布引観音の正式な名称は、天台宗布引山釈尊寺(てんだいしゅうぬのびきさんしゃくそんじ)で、信濃三十三番観音霊場の第二十九番札所に定められており、本尊は聖観世音菩薩です。
(春風に吹かれる本堂)
創建時期については諸説あり、①神亀元(724)年に行基によって開かれた。②天平20(748)年に聖武天皇の勅願により行基によって開かれた。・・・と今に伝わっています。
その後、幾たびかの戦乱、火災による焼失、再建を繰り返し、現存する多くの建物は、江戸時代後期に整備されたものだそうです。
(桜満開の観音堂)
駐車場から徒歩で参道を登ること15分ほどで本堂のある境内に到着します。参道はけわしい山道ですが、途中には滝や牛馬の形をした奇岩、多くの仏像が訪れる人々を迎えてくれています。
本尊の聖観世音菩薩は、観音堂の「宮殿」の中に安置されています。この宮殿は鎌倉時代に造られた仏殿形の厨子(ずし)で、国の重要文化財に指定されています。
(遠く浅間山を望む)
本尊が安置されている観音堂ですが、とにかく何と言っても凄いのが、その建てられている場所!そびえ立つ崖の中腹に建てられており、まさに断崖絶壁の息を呑む風景が目に飛び込んできます。どうしてこんな場所に建立したんでしょうかね・・・?
その姿は、京都の清水寺にも喩(たと)えられるそうです。
<牛に引かれて善光寺参り伝説>
みなさん!「牛に引かれて善光寺参り」という言葉を一度は耳にしたことはありませんか!?
この布引観音は、この「牛に引かれて善光寺参り」伝説の発祥地でもあるんです。
この伝説の概要は次のようなものです。
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