楽園信州

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<VOL.221>四季彩だより~信濃の国から~

昔、強欲で信心の薄い老婆が千曲川で布をさらしていると、どこからか一頭の牛が現れ、その布を角に引っ掛けて走りだしたため、老婆はその布惜しさに、野を越え、山を越え、牛の後を追いかけました。そして気がついてみると善光寺の境内まで来ており、やっとの思いで牛に追いついたと思ったのもつかの間、牛は金堂のあたりで姿を消してしまい、老婆は驚きと悲しみに疲れ果て、その場に佇んでしまいました。


(本堂から観音堂を望む)

やがて日が暮れる頃、どこからともなく一条の光明が差し、その霊光の尊さに老婆は思わず菩提心を起こし、一夜を金堂にこもって悪罪を詫び、家に帰りました。これは、布引聖観世音菩薩が牛に化して、信心の薄い老婆を善光寺阿弥陀如来の許に導いて教化したのでした。
ある日、ふと布引山を仰ぎ見ると、岩角にあの時の布が吹き付けらていたため、老婆は何とかして取り戻そうとしましたが、断崖絶壁でなすすべがなく、一心不乱に念じているうちにこの布とともに石に化してしまったそうです。

※牛は善光寺阿弥陀如来の化身で、不信心を悔いた老婆は、その後たびたび善光寺を参詣し、極楽往生したとの説もあります。

今でも、布引観音の近くの断崖にはこの時の布が貼り付いて石に化したと言われる「布岩」を見ることができます。


(春色の中)

これから春一色となり、薄墨で描いたような断崖にうす紅色やうぐいす色などさまざまな色が加わっていきます。

皆さんもこの季節、淡い色彩に包まれる断崖絶壁の観音堂に立ってみてはどうですか。

もしかしたら、春風に乗って流れていく白い布を見かけるかもしれませんよ!?

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