2011.07.07 [■就航地情報]
Vol142■”信州まつもと空港からの就航地”北海道情報13
今回は、北海道を最初に走った国産蒸気機関車の話題です。
夢を乗せて21世紀も走り続ける
森林鉄道蒸気機関車「雨宮21号」
北海道東部のオホーツク管内遠軽町(えんがるちょう)丸瀬布(まるせっぷ)地域は、四方を山岳に囲まれ、総面積の9割以上が山林原野の豊かな自然に恵まれた地域。林産業の発展とともに栄えてきましたが、その発展に「雨宮(あめみや)21号」の果たした功績は計り知れません。
北海道を最初に走った国産蒸気機関車「雨宮21号」
雨宮号が丸瀬布~武利意(むりい)間の森林鉄道に配置されたのは、1928年(昭和3年)。戦中から戦後にかけて、国有林から切り出された丸太や生活物資を搬送し、地域の人々に“カンコー(官行)の汽車”として親しまれました。
しかし、地域産業の変化により森林鉄道の役目を終え、1958年(昭和33年)に運行を終了。スクラップ案が浮上する中、住民有志の保存運動により、1976年(昭和51年)、営林局から当時の丸瀬布町に譲渡され、1982年(昭和57年)5月1日、ついに“カンコーの汽車”は、“みんなの雨宮号”として蘇ったのです。
現在、雨宮号は、丸瀬布の「森林公園いこいの森」で、煙突からはモクモクと煙を上げ、足回りのピストンからは白い蒸気を出しながら、その雄姿を見せています。
動態保存(※)されている、とても貴重な「雨宮21号」に、ぜひ実際に乗車して、力強い走りを体感してみてはいかがでしょうか。
※動態保存…本来の用途としての動作・運用が可能な状態での保存
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