2024.12.04 [ 地域振興局食・農・旅歴史・祭・暮らし自然・山・花農業農村支援センター ]
『伊那米物語』上伊那で作ったいろんなお米を食べてみよう♪
皆さんこんにちは。上伊那農業農村支援センターのあんこです
皆さんは白米を食べていますか?
茶碗に盛られた熱々ご飯、白く光る粒に立ち昇る湯気を想像すると、なぜだかホッとします。そして食べたくなります!
白ご飯はそのままで食べるのはもちろん、どんなおかずにも合うので飽きることがありません。私あんこは「納豆」と食べるご飯が好きです。皆さんの好きなご飯のトッピングは何ですか?
さて、今年の春、伊那市美篶にある調査用の田畑である「伊那米総合試験地」で、田植えを行ったということをブログ(『伊那米物語』伊那地域に適したお米の品種は何だろう)で紹介させていただきました。その時植えた12品種の苗は、秋に収穫され、お米となりました。
今回のブログではそのお米を炊き、イベント来場者に試食&食べ比べをしてもらった様子を紹介します。
11月9日(土)と10日(日)に「第26回 JA上伊那まつり」が、伊那市にあるJA上伊那の本所で行われました。当センターは会場の建物の一角をお借りし、「伊那米総合試験地」のPRをしました。
「伊那米総合試験地」では県の水稲奨励品種の決定などを目的とし、以下のような取組を行っています。
① 水稲や麦の生育調査…生育状況の把握
② 新しい品種の実証…栽培試験や地域に合っているかなどの評価
③ 農薬の効果の検討…病害虫や雑草に対しての農薬試験、調査と選定
上伊那でのお米の生育や収量、食味など、品種ごとに得られたデータは、米や麦の品質向上や上伊那での栽培支援、上伊那地域に適した水稲品種の選定にも役立てられています。
また、米や麦の総合試験地としてJAグループ、関係団体、行政機関が連携しているのは県内では上伊那地域だけです!
そして、お米に害を及ぼす「害虫」の標本の展示や、害虫の被害を受けた「斑点米(はんてんまい)」や、猛暑の影響によって米粒の内部に亀裂が生じる「胴割米(どうわれまい)」のサンプル展示も行い、来場者がじっくり見ている場面もありました。
「伊那米総合試験地」で今年栽培されたお米を炊き、来場者に試食してもらう食べ比べも行いました。
炊飯したものは「ふくおこし」「つきあかり」「美山錦」「にじのきらめき」「風さやか」「コシヒカリ」「あきたこまち」の7品種です。
「こんなにいくつものご飯の食べ比べはしたことないわ」「なんか違うね~」「こっちのが粘りがあるね」「このごはんの香りは独特だ」「このお米、うちも作ってたわ~」「全部おいしい!」など、小さなお子さんから、農家で長く米作りをされている年配の男性まで、多くの方の感想を聞くことができ、上伊那で作るお米のおいしさや品種ごとに違う特徴を感じていただきました。
ここでそれぞれの品種の特徴などをお話しします。
「ふくおこし」は飼料兼用多収品種です。いわゆる家畜用の米。牛や豚が食べるエサに混ざっているものです。「え?!これエサ?!」と驚かれた方もいらっしゃいましたが、食べてみると「あ、案外おいしい」「これを牛たちは食べているのね~」と味をかみしめる方もいらっしゃいました。
「つきあかり」は業務用早生多収品種です。こちらは外食産業で多用されていて、コンビニのおにぎりや弁当、レストランなどで使われています。早く収穫ができ、収穫の量も多いのでコストパフォーマンスがよく、どんな料理にも合うといわれています。
「美山錦」と言えばお酒の好きな方は、その名前を聞いたことがあると思います。長野県で誕生し、日本で生産量の多い酒米の一つでもあります。このお酒の味に魅了された人は「ミヤマニスト」と呼ばれるそうです。お酒を造るのに適した「酒造好適米」で、いわゆる「酒米(さかまい)」です。こちらも「ふくおこし」同様、ほぼ食べる機会のない米です。こちらの品種は多くの方が「食べてみたい!」と興味を持ち食べてくださいました。
「風さやか」は長野県オリジナルの良食味品種※です。長野県農業試験場が13年の歳月をかけて開発し、平成25年3月に品種登録されました。しっかりとしたうま味と甘味を持ち、冷めてもおいしく、価格も手ごろです。品種名が信州を感じさせ、さわやかですね!
※良食味品種…「おいしさ」を構成する「味」「におい」「食感」から判断し、食味が優れている品種
「にじのきらめき」は国の研究機関が開発した高温耐性多収品種です。この稲は暑さに強く倒れにくい、米の粒は大きめで食べ応えがあります。「暑さに強い品種はなんですか?」と質問をされる方も何人かいらっしゃいました。気温が高くても多く収穫ができ、良い品質の米になることは、気候変動により気温上昇が心配される中、期待の品種ではないでしょうか。
そして、弾力と甘みがある「コシヒカリ」と、固めもちもちの「あきたこまち」は、上伊那で一般的に栽培されている良食味品種で、上伊那の多くの方がご家庭で食べているお米です。 すべてを食べたあとは多くの方が「やっぱりコシヒカリだなー」と、食べなれている味のおいしさを確認できたようでした。
試験地(ほ場)は原村試験地など、長野県内に10か所ありますが、その中でも唯一「伊那米総合試験地」は、JAグループ、関係機関、行政機関が連携している試験地です。
いろいろな品種の作物を、同じ条件で育てて収穫し正確なデータを得るために、関係機関で協力し田植えや稲刈り、脱穀などのほとんどを手作業で行っています。生育中は茎の長さや茎の数、収穫後は脱穀した籾(もみ)の重さやお米の品質など、生産指導による高品質米の安定生産につなげるため、調査の項目は多岐にわたります。
皆さんに好まれる上伊那米を生産するため、日々地道な作業に尽力し、上伊那地域のおいしいお米作りを目指し、頑張っていきたいと思います。
そのほか、「花」については、上伊那の花の認知度向上のためのプロジェクトである「はな高々い~な」の目的と活動についてパネルで紹介したり、アルストロメリアのアレンジメント展示、来場者に当プロジェクトオリジナルの花の缶バッジの配布、さらに上伊那の花の生産状況などの説明を行い、PRしました。
イベントの二日間で、多くの方に上伊那のお米を食べていただき、PRすることができました。
今回はいくつかのご飯を試食をして違いを感じる「食べ比べ」をしていただきましたが、次に行う機会があれば、どれがどのお米のご飯か当てる「利き米(ききまい)」をしてみようか、という話も一部で出ているようです。面白いかもしれませんね。でも私にはきっと、「全部おいしい」ということしかわからないと思います
白ご飯が大好きな、違いの分かるアナタの挑戦、お待ちしています!!
【問合せ先】上伊那農業農村支援センター 技術経営普及課 ℡0265-76-6841
はな高々い~なプロジェクトHP
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