い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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『伊那米物語』伊那地域に適したお米の品種は何だろう?

こんにちは。
上伊那農業農村支援センターのあんこです。

皆さん、毎日ご飯を食べていますか?
今回は、5月15日に伊那市美篶にある「伊那米試験地」で行われた、田植えの様子をご紹介します。
「伊那米試験地」とは当センターがJA上伊那など関係機関と連携し、
36年以上前からお米の品種試験を行っている水田です。

お米は品種により、また、環境により、生育状況が変わります。
この試験地では、上伊那地域の気候に合う品種を選ぶため収穫までの間、
草丈や茎数などの生育状況や収穫量、品質など様々な調査を行います。
その調査データをもとに上伊那地域で栽培に適したお米の作り方、品種の選定を行います。

最近ではその調査から、適性が良好と判断された「風さやか」が品種登録されました。
また、生育データから収穫時期を予測し、農家の高品質でおいしいお米の収穫に役立てられています。

 

試験地での田植えに先立ち、苗を育てるため、ひと月前に種まきを行いました。

1箱当り80gのモミを均等にまきます。

 

うるち米(米飯用)、酒米(お酒用)、飼料用米(家畜の餌)など、
12種類の種を1品種につき2つの苗箱に、手作業で丁寧にまき、
田植えの当日まで温度や水量の管理をしながら、大切に育ててきました。

 

いよいよ田植え当日。
五月晴れの空のもと、当センターやJA上伊那の職員など、
関係する総勢30名ほどが集まり、田植えをしました。

 

水田には苗を田植機ではなく、手植えで植えたのですが、それには理由があります。
12種類のそれぞれの品種ごとに植える区画が決まっていることと、
植える量が苗箱2つずつと少量であること。
そして、昨年までの品種試験のデータと照らし合わせて調査研究を行うために、
これまでの基準の植え方である、苗は3本ずつ、深さは2センチを守るためです。

なぜ3本ずつ植えるのかにも理由があります。
3本ずつ植えた株は4本以上で植えた株より、
日の光を多く受け、根も伸び、伸びた葉もお互いに干渉せず、
結果的に一番良い植え付けの本数とされています。

正確なデータをとるために、その植え方を守るよう試験担当者から説明を受けました。

 

懐かしい農村風景のようですね。

 

きれいに代掻きされた水田に、「田んぼ長靴」を履き、そーっと入り、
事前に引かれた線に合わせ、品種ごとに正確に植えていきます。

「3本、2センチ」「3本、2センチ」「3本、・・・」「・・・」

 

参加者は品種を間違えないよう、また「3本、2センチ」とつぶやきながら丁寧に植えていきました。
初めて田植えをする若手職員には、泥に足を取られ四苦八苦する姿が見え、
その反対に、ベテランは慣れた手つきですいすいと植えていました。
中にはバランスを崩し、手が宙を泳ぐも虚しく、泥だらけになる方も・・・。

3時間ほどですべての品種を植え終えた田んぼは、緑の早苗がきれいに並び、
風に吹かれて気持ちよさそうに揺らいでいました。

あと少しで終わります。腰が痛いです。

 

今後、品種により成長にどのような差が出るのか、楽しみです。
試験地は美篶小学校の東隣にありますので観察に来てくださいね。

この水田の隣には麦の試験地があり、こちらも多くの品種の麦が植えられています。
上伊那地域で多く栽培されている麦は収穫後に製粉工場に運ばれ、
パンや麺類を扱う業者やスーパーなどに流通しています。
試験地の麦は米同様、調査研究が行われそのデータは上伊那地域での麦栽培に活かされます。
今はすくすくと成長した麦に穂が実り、麦秋を楽しめますよ。

これからも植えた苗がお米となるまでの様子をブログでお伝えしていきます

 

 

【問い合わせ先】
上伊那農業農村支援センター(伊那合同庁舎2階)
℡ 0265-76-6842

 

【地図】伊那米試験地(伊那市美篶)

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