2013.11.10 [ 地域振興局 ]
高遠中学校の森林学習
林務課のrosaです。
11月1日(金)に伊那市高遠町で行われた、高遠中学校の1年生の森林学習の様子をレポートします。
高遠町文化センターの前に1年生56人が集まると、始めの会が始まりました。最初のあいさつで、小松校長先生が伊澤多喜男氏の肖像を取り出して、学校林の歴史を語られました。みんな、真剣に聞いています。
伊澤多喜男とは、1869年に旧高遠藩士の家に生まれ、和歌山・愛媛・新潟各県の県知事を経て、警視総監、貴族院議員、台湾総督、東京市長、枢密顧問官等を歴任し、明治から戦後の激動の日本の政界で隠然たる力を発揮した人物です。
高遠町では、伊澤修二の弟として知られています。写真の左側に写っているのは兄の伊澤修二の胸像で、東京音楽学校(現東京藝術大学)の初代学長となり、日本の教育制度の基礎を作りました。日本の歴史に揃って名を残すとは、本当に偉大な兄弟ですね。高遠には今も、伊澤氏の生家や学び舎の藩校の進徳館が残されていて、一般公開されています。
*進徳館については、平成25年1月16日のブログをご覧ください。
伊澤多喜男は、百年前の時代に、すでに環境保全の重要性を提唱するなど自然環境への造詣も深く、ふるさとの高遠の森にも格別の想いがあったようです。私費を工面して高遠町に山林を寄付しており、今回の学校林も伊澤多喜男氏から寄贈された森で、「伊澤学林」と名前がつけられています。
高遠町は古くから森林を大切にしてきた地域で、高遠中学校でも、毎年、学校行事として学校林の整備活動を行っています。
校長先生のあいさつの後、緑の基金からいただいた「くわ」の贈呈式が行われました。
緑の羽根でおなじみの緑の募金は、こんな風に地域の森林保全に役立てられているんですね
さて、林道を歩いて、いよいよ学校林に到着しました 有名な高遠城址の桜の管理を行っている振興公社の職員の皆さんから、作業方法や注意点を教えてもらい、いよいよ作業開始です。
ピカピカ光る新品のくわを使って、林内の歩道を整備します。作業が進むにつれ、どんどん作道技術が向上して、最後には素晴らしい階段ができあがりました。
間伐作業でカラマツを伐って
力を合わせて、伐った木の玉切りをしたら、
整備した歩道を下って、みんなで運んできた丸太を軽トラに積んで、作業は終了
軽トラにいっぱいの丸太は学校へ運んで、薪として活用するそうです。
きれいになった学校林には、森への愛着と伊澤氏への尊敬を込めて、去年の1年生が書いた「伊澤学林」の看板が掛けられました。墨で書かれていて、なかなかの達筆です。
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