い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

絹織製作研究所のご紹介

出来上がった糸を機織り機にかけますが、3,000本もの経糸(たていと)をかける作業だけでも、3日間程度、一反の反物を織り上げるのには3週間もの時間がかかるそうです。


機を織るAさん

このようにして織りあがった反物は、美術館や博物館に収蔵されている古美術絵画・染織品の修復などにも適しており、修復材料として使われているそうです。


織りあがった絹織物の手触りは、緻密で平滑感があります。絹織物というよりは「和紙」に近い印象ですが、下に置いた名刺の文字まで透けて見えるところは紙ではなくまさに絹織物です。

そんな絹織製作研究所が現在取り組んでいるのは、野生の蚕「クワコ」と家蚕との交雑種の繭から作る絹織物です。交配がとても難しいために、まだ一反分の織物を織るのに必要な糸が取れていないそうです。今回も交配に成功した一蛾分の卵を飼育していました。野生種であるクワコは家蚕と違い、落ち着いて桑を食べずにどんどん動いて飼育装置から出て行ってしまうことも。家蚕のようには生育がそろわないため、飼育が大変などのデメリットも大きいですが、そこから取れる糸は最も細く、とても強い糸が取れることが期待されています。


クワコの特徴を備えた模様がある。小さいがこれで最終齢


クワコとの交雑種が作った繭

かつては、日本の蚕糸業は世界トップクラスを誇っていた時代もあり、知的財産などその時代の遺産が数多く残されています。今でもその気になれば、育種資源や伝承技術などで、世界で最高峰の糸や織物を作り出すことができると、志村さんは熱く語っていました。
絹織製作研究所は、今年で11年目を迎えます。他に類を見ない取り組みが、今後も素晴らしい成果を結ばれることを祈念します。

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