じょうしょう気流 「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

じょうしょう気流

「上小(じょうしょう)地域」と聞いて、みなさんは長野県のどの地域を思い浮かべますか?「上小地域」は、上田市、東御市、小県郡長和町、青木村の2市1町1村からなり、群馬県の西側に接する地域です。「上小」には自然、歴史、文化、おいしい農産物など、さまざまな魅力がありますが、それらを上田合同庁舎の職員の目で見て綴り、皆さんにご紹介してまいります。

塩田平札所めぐり その5 龍光院と中禅寺

上小地方事務所のF森です。

前回の第八番札所の前山寺に続いて、今回の塩田平札所めぐりは、第九番と第十番札所です。(これまでのブログ その1 第一番 第二番~第六番 第七番・第八番

第九番は龍光院です。曹洞宗のお寺、禅寺ですね。鎌倉時代、塩田に移った北条氏によって建立されたお寺で、塩田北条氏の菩提寺になっています。鎌倉幕府の執権北条時頼も師事した道元禅師を開祖とする曹洞宗は、厳しい戒律で知られ、武家の帰依も多かったのでしょう。

前山寺から「あじさいの小道」という名の遊歩道を通って、塩田城跡を経由していきます。ひと月前、あじさいが見頃だった頃からみると、もう花はほとんどなくちょっとさびしい気もしますが、そうこうしているうちに龍光院の山門に到着。その左手前には「山門禁葷酒」の文字が。禅寺にはよくありますが、香気の強いニラなどの食べ物や酒をお寺の中には持ち込んではならないということですね。

山門からは石段を上がっていきますが、これがとにかく長い。ウォーキングのときもここが一番の難所。

やっとのことで門を入ると正面に本堂が。中に入ってお参りします。
本堂の手前には坐禅堂があります。ただひたすらに坐禅せよという道元禅師の「只管打坐」(しかんたざ)の言葉を改めて思い起こします。「九番札所」の看板のあるところでご朱印をいただきました。

次は、第十番の中禅寺に向かいます。龍光院の参道を下ってくると、左に「塩田の館」があります。前に「皿そば」のブログでご紹介した上田市の施設です。その中を通ってしばらく行くと、「あじさいの小道」の起点に到着。水車が回っています。そこから少し坂を登っていくと中禅寺です。


中禅寺が創建された年代は、たびたびの火災によりわからないようですが、寺伝によれば、弘法大師が東国を巡っておられたときに、この地域の農民が飢饉で苦しんでいる姿を見て草庵を結び、雨乞いの祈祷をしたのが始まりだそうです。宗派は、前山寺と同じ真言宗智山派。
この境内には、国指定の重要文化財である「薬師堂」があります。平安末期から鎌倉初期頃に作られたということで、中部日本最古の建物といわれています。立派な茅葺の屋根があって、とても美しいお堂です。中には、薬師如来坐像があって、これも重要文化財に指定されています。
中禅寺のすぐ横には、「独鈷山」の登山道の一つがあります。中禅寺からは独鈷山が間近に見えます(独鈷山の登山レポートはこちらをご覧ください)。また、お寺の入口には茶店もあって、「やくしだんご」なるものもあるようです。私が行った午後4時過ぎには残念ながら閉まっていました。



中禅寺のお隣は、塩野神社です。九世紀ごろには文献に名前が出てくるというたいへんに古いお宮です。武田信玄が「朱印状」を奉って武運長久を祈ったり、真田昌幸や長男の信之が社領を寄進しているなど、名のある武将も大切にしたそうです。この社殿の前には、渡るところが丸い曲線になっている屋根付きの「太鼓橋」があります。「信濃の橋百選」(信濃の橋刊行会著・信濃毎日新聞社発行)という本にも掲載されている美しい橋です。

ここから坂を下って、次は第十一番札所の「新町観音堂」に向かいます。レポートは次号で。


龍光院
住所:上田市前山553
中禅寺
住所:上田市前山1721

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