2013.10.29 [ 職員のみつけた情報コーナー ]
別所線の魅力 「別所線牧歌」の風景を巡る 2番
上小地方事務所のY夫です。
別所線沿線の風景、名所を歌詞に織り込んだ「別所線牧歌」。それらを写真で巡ろうというシリーズ2回目。 1回目はこちら。
今回は、2番。歌詞をまず見ておきましょう。「赤い鳥居 御柱立ち 夫婦道祖神 民話の山 秋の夕暮れ 金色の空 雲の吐息 三重の塔 この里が好き この匂いが好き 小さな電車が好き 涙あふれるほど好き 口べたな夜続いてるけど 聞こえているよレールの音」
「赤い鳥居」。「生島足島神社」です。鳥居の横には「日本中央」の文字も。平安時代(千年以上も前)の「延喜式」という書物の中で、このお宮は「大社」として記録されていますので、昔から最も大切な神社として考えられていたんですね。このお宮は、生島神と足島神の二柱をおまつりしているということですが、この二神は、日本の国ができた頃から国を守ってきたといわれているそうです。また、ここのご神体は、珍しいことに「土」です。稲や麦を育ててくれる最もありがたいものということで古代の人たちが一番感謝したのは「土」だったのでしょう。
境内には「御柱」があります。高さ17m。諏訪大社の御柱祭と同じように、ここでも7年目ごとに御柱を新しくします。
「夫婦道祖神(めおとどうそじん)」。別所温泉から女神岳の方に坂を登っていくと「野倉」という地区があります。平家の落人が住んだという言い伝えもありますが、斜面に民家が点在しています。道からちょっと女神岳頂上方向に行ったところにこの道祖神があります。男女が互いに相手の肩に手をかけ、女性は男性の手を握っています。二人とも目を細めて笑った表情をしていて、ほほえましく、見ていてホッとします。家庭円満、子宝、縁結びの神として信奉されているそうです。
このすぐ近くには、古民家を改装したカフェ「茶房バニ」があります。コーヒーはもちろん、オープンサンドや手作りケーキなどがあって、こんな山の中なのに大人気です。
「民話の山」。塩田平には、弘法大師が独鈷(密教で使う仏具)を埋めたことから名前が付いたという「独鈷山」など逸話のある山がありますが、ここでは「夫神岳(おがみだけ)」。写真の右の山です。左は夫婦道祖神のある野倉が中腹の「女神岳」。塩田平は雨の少ないところ。そのため、ため池がたくさんありますが、それでも干ばつの年はあるもので、約5百年前、大干ばつに見舞われた際、夫神岳に九頭竜権現をまつり、雨を降らしてくれたら毎年あらん限りの布を献上しますとお祈りしたところ、雨が降ったそうです。それからは毎年、布を竹ざおに付けて夫神岳に登り、お参りした後下まで下ってくるようになりました。「岳の幟(たけののぼり)」というお祭です。次回にも取り上げますが、こちらのブログで紹介しています。
「秋の夕暮れ」。実際の風景ではなく、我が家にある版画「秋の夕暮れ」という、歌詞と同じ題名のものの写真を用意しました。
原田泰治さんが塩田の風景を描いてくれたもの。中にある電車はもちろん別所線でしょう。のどかな雰囲気。今はさすがに塩田でも普通に見られる風景ではありませんが、昔はどこもこんなだったんでしょうねえ。
原田さんは、別所線の電車のラッピングもやっておられて、動物や植物が描かれた「自然と友だち」という名前の電車。1号と2号の2編成(こちらのブログに写真があります)があります。
「三重の塔」。最初の写真は「安楽寺八角三重塔」。次のは「前山寺三重塔」。安楽寺の三重塔は、日本に唯一現存する八角形の塔で、国宝になっています。普通は四角形。本堂からの石段を登って下から見るのも、塔よりも高いところから見ても、美しい!っと感じる塔です。
前山寺の塔も美しいです。ここの特徴ですが、普通の塔は、縁という回廊や手すり(勾欄)、扉と窓がありますが、この塔はそれがありません。回廊を作るための貫という角材はあるので、作る予定ではあったようです。でも、こうしたものがなくかえってすっきりして良いという人もいて、「未完成の完成塔」と呼ばれています。
お寺の紹介をブログでしています。 安楽寺 前山寺
次回は歌の3番をご紹介。別所温泉付近の風景です。
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