2013.12.01 [ 職員のみつけた情報コーナー農産物 ]
新そばを石臼で挽いて・手打ちして・食す その1 石臼編
上小地方事務所のF森です。
青木村では、県の農業試験場が開発した新品種のそば「タチアカネ」の栽培を今年(平成25年)から本格的にはじめました。これまでは一部の畑でしか作っておらず、そばとして売るときも「タチアカネ」という名前が、とある理由で使えませんでした。今年からは、村内のそば屋さんに行くと「タチアカネの新そば」という張り紙やのぼりを目にすることができます。
タチアカネに関しては、このブログでも何回か取り上げました。たとえばこちらのブログをどうぞ。
そんな中、村では、そばの実を挽くための「石臼」を設置しました。そばの製粉には、大まかに言って2種類ありまして、鉄製の2本のロールの間に実を通してつぶす「ロール製粉」と石臼で挽くものです。「ロール製粉」は、粒の大きさはそろうのですが、高速回転しているローラーの熱でそば粉の風味が飛んでしまう欠点があります(ただ、最近は水冷式の機械があって温度は上がらないようになってきているとのことです)。
一方、「石臼挽き」は、穀物を挽くのに昔から世界中で行われてきたものですよね。丸くて厚い平たい石を2枚上下に重ね、上の石を回しながら上の石に開けた穴から実を落として2枚の石の間でつぶすもの。ロール製粉に比べ時間はかかりますが、そばの実の温度は上がりづらい。こだわりのそば屋さんでは、手で回したりする小型の石臼を使って、毎日自分で製粉するところもあります。大手の製粉会社でも、大型の石臼を機械でゆっくり回して製粉したものを売っています。私も、そば粉や手打ちラーメンやうどん用の小麦粉はそんなものを使っています。
その石臼を村が設置して、おいしいタチアカネを世に広めようということですね。タチアカネは、これまでのブログでも紹介しましたように、白い花が咲くころ、成熟途中の実が赤くなり、赤と白のコントラストが美しい、「見て楽しめる」そばなんですが、これからは、「おいしさ」も存分に楽しめます。
今回のブログでは、「石臼で挽いて」、それを「手打ちして」、「食べる」のを3回に分けてご紹介します。
ということで、石臼で粉を挽くところを見学させてもらいました。石臼は、「夫神(おがみ)」という地区の昔から製粉を行ってきた建物に設置されています。
採って乾燥させたそばの実をきれいにして、皮をむく機械にかけます。殻はとても固いです。枕に入れますよね。村の方は、道の駅にある農産物直売所で売ったらなんていう話もしておられました。
殻をむいた実(丸抜き)はそのまま石臼にかけられます。甘皮部分も含んだ全粒粉、「挽きぐるみ」です。そばの実には、中心部分のほとんどがでんぷん質の「さらしな粉」になる部分や、「打ち粉」になる胚芽部分もあり、ロール製粉では分けて挽くのですが、それをまとめて製粉してしまいます。
殻をむいたそばの実を石臼の上の方から少しずつ落として石臼にかけます。電動の石臼は、高さが2.5mくらいはあるでしょうか。石臼の直径は50~60cmといったところか。聞くのを忘れました。
2枚の石の上の方が回転していて、間からすりつぶされたそば粉が出てきます。1分間に18回転するとか。石臼では、1分間にだいたい10~20回転。ロール製粉だと200~400回転はするので、それに比べればとてもゆっくりです。
粉になったものは、機械の一番下にある箱に落ちてきます。少し緑がかった色。いかにも新そばっていう感じ。早く打って食べてみたい。
ということで、次回は石臼挽きの粉でそばを打ってみます。
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