北アルプスCOOL便 北アルプス山麓に広がるこの地域の大自然はもちろん、 歴史、文化、おいしい食べ物など、さまざまな魅力を皆さんにお届けします!

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鹿島槍ヶ岳——美しき双耳峰へ

総務管理・環境課のYです。
信州・大町合同庁舎から望む鹿島槍ヶ岳。その優美な双耳峰は、まるで空に向かって静かに語りかけるよう。日本百名山のひとつであり、登山者の心を惹きつけてやまない存在です。
「信州 山のグレーティング」https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/gure-dexingu.htmlで確認したところ、鹿島槍ヶ岳は中級者向けの評価。けれど、北アルプスの入門ルートとして知られる柏原新道からのアプローチは、整備が行き届いていて安心感があります。

 

扇沢から始まる静かな冒険

登山口近くの駐車場は早朝から混雑するため、長野駅や信濃大町駅から扇沢へ向かうバスの利用がおすすめ。1時間に1本程度の運行は、山行バスとしては嬉しい頻度です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扇沢駅

扇沢から柏原新道登山口までは徒歩15分。登山道は樹林帯が多く、夏でも涼やか。急登もなく、初心者にも優しいルートです。ガレ場では慎重な歩行が求められますが、案内板がしっかりと設置されていて安心。

 

 

種池山荘から爺ヶ岳へ

コースタイム約4時間で種池山荘に到着。ここで小休止を取り、爺ヶ岳へと向かいます。

爺ヶ岳(標高2669m)は日本三百名山。南峰・中峰・北峰の三つの峰が織りなす山容は、まるで彫刻のよう。今回は南峰と中峰に登頂するも下界はガス(霧?雲?)の中。前回訪れた際には、後立山連峰が朝日に染まり、言葉を失うほどの美しさでした。

種池山荘                 爺ケ岳南峰頂上

 

冷池山荘に宿泊
冷乗越を下って冷池山荘へ。感染予防対策が徹底されており、清潔で快適な空間。水は1リットルサービス、蛇口の水は飲用不可。大町市の観光ポスターが貼られ、ドラマ「山女日記」のロケ地でもあるとのこと。
この先の登山道では、親子熊の目撃情報があり、鈴を鳴らしても去らないとの注意喚起。飲食も控えるよう案内が出ています。明日も自然との共存を意識しながら、慎重に進むことにします。

街で飲むコーヒーとはまるで違います。
ここでは、風が味を運び、光が香りを包み、空が心をほどいてくれます。
山で飲む一杯は、五感すべてで味わう芸術です。

「この瞬間のために登ってきたんだ」と、心の底から思いました。

眼下には、果てしなく続く雲の海


 

雲海と日の出、そして鹿島槍ヶ岳へ
翌朝4時、布引山での日の出を目指して出発。コースタイムは1時間余り。雲海の上に昇る太陽は、まさに山の上ならではの絶景。
そして、いよいよ鹿島槍ヶ岳(南峰2,889m)へ。コースタイム45分。登り返しもそれほど厳しくなく、無事登頂。静寂の中に広がる山々の景色は、心に深く刻まれます。

オレンジの線が空と地の境界を描き出します。

希望の始まりであり、命の息吹であり、心を震わせる瞬間です。

太陽が昇るにつれて、雲が金色に染まり、空と雲と山が一体となります。
その美しさは、写真にも言葉にも収まりきらない、
ただそこに立ち尽くし、心で感じるしかない奇跡の景色でした。

 

 

鹿島槍ケ岳頂上

下山とご褒美のピザ
下山を始めると、徐々に晴れてきて後立山連峰や剱岳が姿を現します。疲れた足を労わりながら、絶景を満喫。種池山荘では名物の手作りピザに舌鼓。山で味わう贅沢なひとときです。

眼下に広がるのは、果てしない緑の海原。
谷がうねり、尾根が連なり、遠くの山々が幾重にも重なって、

まるで大地が呼吸しているかのようです。

ピザを頬張りながら、遠くの山々を眺めます。
その瞬間、私は「生きている」ことの豊かさを、静かに噛みしめていました。

静寂の中、風に揺れる一凛の青い花が、そっと目に留まりました。

太陽は、雲海の上に浮かぶ宝石のように、静かに、しかし確かに輝いていました。

 

扇沢から信濃大町駅までは、観光バス車両の路線バスで快適に移動。心地よい疲労感とともに、鹿島槍ヶ岳の記憶が胸に残ります。

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