2022.10.21 [ 北アルプス地域の自然・景観・名所北アルプス地域のイベントその他 ]
「北アルプス広葉樹活用フォーラム」を開催しました ~基調講演・グループディスカッション編~
北アルプス地域振興局林務課です。
9月22日(木)に開催した「北アルプス広葉樹活用フォーラム」では、午前中の現地研修会に引き続き、午後は会場を大町市の平公民館に移して、基調講演とグループディスカッションを行いました。
今年のフォーラムでは、林業関係者だけでなく、家具や食器の製作や販売など広葉樹を活用している方、これから広葉樹を活用したいと考えている方、森林所有者や製材事業者の他に、これまで林業や木材産業に関わりがなかった方にもご参加いただき、様々な立場の方が100名ほど集まり、広葉樹の活用を考える機会となりました。
基調講演では、「森と暮らしをつなぐコミュニティーの作り方」と題して、伊那市ミドリナ委員会副委員長の平賀裕子さんから講演をいただきました。
平賀さんからは、伊那市ミドリナ委員会(以下「ミドリナ」)の取組を交えながらコミュニティーをつくるためのヒントについて講演をいただきました。
ミドリナが活動されている伊那市では「伊那市50年の森林(もり)ビジョン」が策定されており、ミドリナはこのビジョンを応援する団体として発足されています。メンバーには林業関係者が少なく、様々な分野の方で構成されており、市民の目線で行政では浸透しにくい部分を市民の皆さんに伝えていく役割を担っています。
ミドリナでは、楽しくワクワクする場とすることにより参加者としてではなく能動的に参加してもらうことや、森に興味のない人に興味を持ってもらうため参加する皆さんが楽しめる工夫など、様々な皆さんが参加することによりコミュニティーが出来上がるといったことを考えてイベントを開催しているとのことでした。
また、平賀さんからは、啓蒙ではなく共感により関わる人が増える、また、主役はだれかを考えて活動することが大切であり、市民一人ひとりがどう感じて何をするか、その人の暮らしがどうなるかを考えて活動することなどのアドバイスがありました。
続いて、「広葉樹が拓く、地域の森と人の可能性」と題して、株式会社飛騨の森でクマは踊る代表取締役COOの松本剛さんから講演をいただきました。
松本さんからは、「株式会社飛騨の森でクマは踊る」で行っている実践的な取組から、地域の森と人を繋げるための活動や考え方について講演をいただきました。
「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」で使いづらい広葉樹とどう向き合っていくかということが広葉樹の森を活かしていくことに繋がると考えて取組まれており、単にモノづくりをするだけではなく多様な広葉樹を活用するために多様な人たちを巻き込んでいく機能としてカフェや宿泊施設を経営されていて、森に関わりがない地域や外部の人たちに対して森への入り口をつくり、様々な人が関わることで広葉樹の使い方の可能性が広がっているとのことでした。
人と自然の良い関係性をつくっていき、多様な広葉樹を活用するために多様な人たちと考えていくことで、結果的にビジネスモデルができる。多様な人たちとのコミュニティをつくることに広葉樹活用の可能性を感じており、そのためには、そこが魅力的な場所でなければいけないとのアドバイスをいただきました。
基調講演後には、午前中の現地研修会や基調講演を踏まえて、「広葉樹を活用するためにはどうしたらよいか」などをグループに分かれて参加者同士で話し合いを行いました。
グループディスカッションの最後には、グループ内で出された話題報告や講師のお二人からのアドバイスにより、参加者で話題を共有することが出来ました。
大北地域の広葉樹の活用を進めるため、北アルプス地域振興局林務課では、今後も様々の取組を進めていきたいと考えています。
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