2024.12.10 [ 北アルプス地域の農業北アルプス地域の歴史・文化・暮らし北アルプス地域の食文化・味 ]
貴重なかまどで炊飯して激辛おむすび食べてみた【おむすびプロジェクト】
こんにちは。北アルプス農業農村支援センターの〇です。
北アルプス山麓農畜産物ブランド運営委員会(事務局:北アルプス農業農村支援センター)では、昨年度から、米の消費拡大を目的に「北アルプス山麓おむすびプロジェクト」という取り組みを行っています。
具体的には「地元のお米を使う」「地元の食材をできるだけ使う」などを前提に、はじめは学校や家庭、さらに飲食店等へ拡大し、おむすびを日常的に食べる習慣化・定着によるお米の消費拡大に取り組んでいます。
今回は第2弾ということで、大町中学校と大町市社会福祉協議会が一緒に取り組んでいる「農福田んぼproject」の収穫祭の模様をお届けします!
第1弾 白馬南小学校「かまめし会」コラボについてはコチラ
🍙「農福田んぼproject」の目的🍙
これからを生きていく学生や福祉事業利用者が、地域の方々の力をかり、種まきから作ったお米を味わい、味わってもらい、お米の可能性を感じて、学びの糧や生きる糧にする。その過程を通して、地域を元気にし、持続可能な地域づくりに繋げる。
🍙楽しい収穫祭🍙
11月8日、素晴らしいお天気のもと、大町中学校南側の畑を会場に準備が始まりました。
今回は、長野県農村生活マイスター北安曇支部が所有している「ぬかくど」を使って炊飯し、おむすびを作ります。
「ぬかくど」は、精米後に出たもみ殻を燃料に利用して炊飯する器具で、「くど」はかまど(竈)を意味します。
昭和20~30年代に普及したそうですが、生活様式の近代化等により徐々に衰退。現在は幻の調理器具となってしまいました。
使い方を知る人も今やわずか……
この北アルプス地域では、農村生活マイスターが食育活動等で今もぬかくどを活用しているため、その力をお借りします。
20個以上パーツがあるパズルのようなぬかくど。
マイスターさんに指示をもらいながらでも、組み立てに四苦八苦します。
土台ができたら、たっぷりのもみ殻を投入。
火力が足りないように思えますが、これでお米が炊けるというから不思議ですね。
お米2升が入った大きなお釜をセットして点火。あとは待つだけです。
一度火を付けたらそのまま放置していいぬかくどは、タイマーや自動調理が存在しない時代、台所に立つ女性たちにとって夢のような調理器具だったそうです。
しかも、お米から出たもみ殻を使ってお米を炊き、使用後のもみ殻はくん炭として活用することができます。
SDGsという言葉が存在しなくても、昔の人は自然と循環型農業を実践できていいたということです。
今こそ先人の知恵に学ぶべきかもしれませんね。
ご飯の炊き上がりを待つ間、「お米の加工体験」ということで、玄米煎餅作りにチャレンジ。
大町中学校のこぶし学級の皆さんが、マッチの使い方やナタを使った薪割りを教わりながら、空き缶ストーブに火を入れました。
空き缶ストーブの火力が十分に上がったら、フライパンにちょっとだけこめ油を引いて、平たく伸ばした玄米ご飯を焼きます。焼きあがったら砂糖醤油を塗り、七輪で二度焼きします。
熱くて大変な作業ですが、みんなの喜ぶ顔を思い浮かべながらだとがんばれちゃいます。
香ばしい匂いでますますお腹が空いてきました!
煎餅作りに熱中しているうちに、あっという間にぬかくどご飯の炊き上がり。
真っ白でツヤツヤな炊き立てご飯からは、お米の良い香りがします。炊飯器ではちょっと出せない香りかもしれません。
さらにたくさんの仲間が集まり、にぎにぎタイム。役割分担しながらどんどんおむすびを握っていきます。
さすが中学生。おむすびが安定した三角形。
大きなおむすびの山が2つもできましたー!
こぶし学級の皆さんが朝から準備してくれた豚汁がお目見えし、農福田んぼprojectに協力した大勢の地域の方々も集まって、お待ちかねの会食です。
自分たちで育てたお米の味はいかがでしょうか?
大町市内の米農家さんに教わりながら、無農薬でがんばって育てたお米。
種まき、田植え、除草、稲刈り、脱穀……
楽しかった作業や大変だった作業を思い出しながら、仲間と味わいます。
思わず笑顔がこぼれちゃいます。
テーブルに並んだ具材は梅干し・昆布・おかかなどの定番。
と、やっぱり並んだ唐辛子加工品。
唐辛子の栽培と特産品づくりに力を入れている大町中学校こぶし学級ならではのラインナップです。
唐辛子みそはおむすびに乗せて、マチスコやラー油の搾りかす、チリペンくんにふたみちゃん(新作)は豚汁にお好みで振りかけていただきます。
唐辛子みそを炊きたて握りたてのツヤツヤおむすびにたっぷり乗せてみました。
辛い!辛うま!!
辛い味噌とご飯のやさしい甘さがよく合います。おむすびが進む進む。
具だくさんの豚汁には、私たちから提供させていただいた北アルプス山麓ブランド認定品でもある大町市の豚肉「大町銀嶺豚」がたっぷりと入っています。
豚の脂の旨味と野菜の甘味にピリッとした唐辛子の刺激が加わって、おむすびが進む進む進む……
おかわりが止まりません。
手間ひまかけて焼き上げた玄米煎餅も大好評!
皆お腹いっぱいになるまで美味しい食事と地域の方々との交流を楽しみました。
「面倒なこともあったけど楽しかった」
一年間の米作りの感想を発表した生徒さんの顔は、充実感でいっぱいでした。
12月3日には、このお米が学校給食で提供されました。
全校の皆に食べてもらったという喜びは、きっと、これからを生きていく糧になるでしょう。
大町中学校こぶし学級の皆さん、社協の皆さん、楽しい時間をありがとうございました。
唐辛子みその市販希望(図々しい)
おいしい豚肉「大町銀嶺豚」をご提供いただいた株式会社あずみ野エコファームさんのHPはコチラ
大町中学校こぶし学級の取り組みについては「マチスコ」で検索☜
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