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繰越堰(くりこしせぎ)ってどういう仕組み?

写真は大河原堰(おおかわらせぎ)という茅野市にある農業用水路です。「川」ように見えますが、江戸時代後期(寛政4年[1792年])に坂本養川(さかもとようせん)の指導により開削された「水路」です。坂本養川のお話は、諏訪管内では小学校の社会科授業で教わるみたいなので、知っている人も多いかと思います。ちなみに、長野県ホームページでも紹介しています。(こちらをクリック)

大河原堰は水量の豊富な滝の湯川や蓼科山から湧き出る水を約16km送水し、遠く茅野市の泉野・玉川地籍の水田地帯を潤しています。この水路は「繰越堰」という形式を採用した水路となっています。繰越堰を一言でいうと「川と川を結ぶ水路」なのですが、実際水がどのような経路をたどるのか考えてみます。

これは、大河原堰が河川に落水している箇所です。等高線に沿って流れる水路なので、上流の河川から取水した水のほか、水路周辺から湧き出る水や雨水を集めながら流れて河川に落水しています。特に水路周辺の湧水・雨水等の余水は自然に河川に流れ込むことが無い水なので、隣の河川への水源となっています。また、河川の水源を増やせたことで、本来の水源を代替できた分を新たに用水として使用できるようにしています。

水の少ない地域に文字通り水を「順に送る」最適なシステムを構築し、集落間の水争いが絶えなかった時代に住民調整を行い、機械も無かった時代に短期間に作り上げた坂本養川の技術力・調整力に驚嘆です。坂本養川は大河原堰の他実に14の繰越堰を開削し、諏訪地方での水田農業の基礎を築いたのです。

大河原堰は乙女滝、音見滝など観光の名所となっている場所もあります。梅雨も明け、猛暑日が続く今日この頃ですが、蓼科に観光の際は雄大な滝とあわせて、諏訪の水路歴史探訪もしてみても楽しいですよ。

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