南信州お散歩日和

南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

南信州名物「黒糖饅頭」!

南信州農業農村支援センターのHです。

 

行者山から新野を見れば 人は丸いが 田は四角

新野よいとこ千石平 嫁にやりたや もらいたや

 

長野県の南端に位置する阿南町の南の端に位置する新野地区。

ここ新野地区には、毎年、お盆の8月14日から17日朝までの3日間、夜を徹して踊られる国の重要無形民俗文化財「新野の盆踊り」が古から伝承されています。
そのはじまりは、1529年(享禄2年)。いまからおよそ500年前の室町時代に、三河(三州=現在の愛知県)から伝わり、盆踊りとして新野の地に定着したと言われています。

今年は、新型コロナウイルス禍により、500年の長い歴史の中で初めて中止となってしましましたが、その盆踊りの際、踊り子さんが手に持つ扇子に、こうした詩が書かれています。

 

また、新野地区には、毎年、1月14日の夜から翌朝にかけて伊豆神社の境内で雪を豊年の吉兆として田畑の実りを願う祭り「新野の雪まつり」が催されます。
このお祭りの起源も鎌倉時代と言われていますので、800年余の歴史があります。

さらに、新野地区の新栄山には長野県唯一の即身仏「新野の行人様」が祀られており、毎年4月29日と敬老の日の前日に御開帳されています。こちらも、1687年(貞享4年)の江戸時代に入定(にゅうじょう)されたと言われていますので、300年以上の歴史を刻むものです。

新野地区はこうした伝統芸能や文化が数多く残る、古くから地域の人たちが地域の文化を大切に守り、未来へ伝承してきた地域です。

新野地区には、伝統芸能や文化だけでなく、食文化も伝承されています。
その一つに名物の「黒糖饅頭」があります。


黒糖饅頭は茶色のお饅頭で、南信州地域では、お茶請けとしても食されています。

この黒糖饅頭、なぜ茶色なのかについて、新野地区で「黒糖饅頭」の製造販売を手掛ける創業大正7年の“つるや菓子舗”さんにお話を伺ってみたところ、「今でこそ、白い砂糖を安価に手に入れることができますが、創業当時は、田舎では白糖は手に入らないとても貴重な品だったため、南信州で白砂糖の代わりに黒糖を使ったお饅頭が作られたのではないか。」とのことでした。

 

今では、山間にひっそりと佇む新野地区ですが、旧道となってしまったこの狭い道も、かつては交通の要所として、三河や駿河へ向かう人々や信濃路へ向かう人々で賑わったのかもしれません。旅人は、地域に数軒ある旅館で旅の疲れを落としたのかもしれませんし、地域の人々に勧められて黒糖饅頭を片手にお茶を飲みながら世間話に花を咲かせていたのかもしれません。そんな往時の街並みに思いを馳せてみました。

写真のコミュニティバス停留所の名前になっている「農村文化伝承センター」には、当時の貴重な資料や、祭り街道に伝承されている祭りの資料などが展示されています。

“つるや菓子舗”さんは、黒糖饅頭のほかにも季節限定の和菓子のほか、5代目の圭介さんご夫婦は、洋菓子づくりにも挑戦されています。

夏季限定の「いちご杏仁」も食べてみました。

蓋を開けると、甘酸っぱいイチゴの香りがふわ~っと漂い、唾液腺を刺激します。

いちごの香りが、しっかりした杏仁豆腐と、とてもよくマッチしていて、とても美味しいです。このいちごは、売木村で栽培されている「サマープリンセス」という品種(長野県の農業関係試験場で育種)で、新鮮ないちごを生産者から直接購入しているとのことです。「サマープリンセス」は、生食向きの品種ではなく、酸味が売り物のケーキ用品種です。                               「サマープリンセス」の紹介はこちら ⇒ https://www.agries-nagano.jp/original_breed/546.html

いちご杏仁のほかにも、季節の地元の果物を使った杏仁が、期間限定で販売されるそうです。
つるや菓子舗のお菓子は「添加物を使いたくない。」というこだわりから、賞味期限が短くなっています。

つるやまんじゅうは、つるや菓子舗のほかに、阿南町のショッピングセンター「ナピカ」や、 「ファミリーマートJA下條店」など、地元の一部商店などでも、お買い求めいただけます。
twitterでも、随時情報を出されているそうです。
つるや菓子舗twitter ⇒ https://twitter.com/tsuruya10232/status/1277432458028314624

そして圭介さん、実は根っからの「鉄道ファン」との情報もお聞きしました。

これは、圭介さんが作った、JR飯田線の有名な秘境駅の一つ「田本駅」のジオラマです。このジオラマのとおり、田本駅はトンネルとトンネルの間、断崖にへばりつくようにホームが設置されています。ホームからは人家は見えません。眼下は天竜川、集落はこの断崖の上段の河岸段丘に広がっています。

そして、地域の鉄道ファンの皆さんで作る「JR東海ファンクラブ」なる組織があり、天龍峡にあるクラブハウスで、年に数回一般公開を予定しているという情報まで教えていただきました。
昨年開催された様子が「飯田線ブログ」に紹介されています。 ⇒ https://iidasen.jimdofree.com/%E9%A3%AF%E7%94%B0%E7%B7%9A%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/

※残念ながら今年、4月・5月・8月に予定されていた一般公開は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、中止となりました。

阿南町新野は南信州の中でも、最南端の県境に位置するにも関わらず、標高は800mという高原にあり、とても爽やかな風が吹いていました。
新型コロナウイルスが収まり、南信州にお見えになる際には、ぜひ「阿南町新野」も訪問先の候補に加えてください。

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