2016.02.24 [ 南信州のイベント南信州の伝統・文化・史跡 ]
南信州の宝「民俗芸能」を未来に伝承するために【南信州民俗芸能継承フォーラム】
地域政策課のTです。
2月21日(日)に南信州民俗芸能継承推進協議会の主催、南信州広域連合、長野県、長野県教育委員会の共催により、南信州民俗芸能継承フォーラムを飯田市鼎文化センターで開催しました。
南信州民俗芸能継承推進協議会は、南信州の“貴重な資産”である民俗芸能が人口減少・少子高齢社会の到来により継承の危機を迎える中で、南信州全体が一丸となり継承の取組を推進するために、保存団体や行政、民間団体等が集まり昨年7月1日に設立されました。
フォーラムでは、当協議会のアドバイザーでもある信州大学地域戦略センター長の笹本正治さんによる記念講演のほか、協議会のこれまでの活動報告や今後の取組方針、県の取組の報告や、関係者によるパネルディスカッションを行いました。
↓信州大学地域戦略センター長 笹本さんによる記念講演
笹本センター長からは、南信州は多様な文化が凝縮された世界的に見ても唯一無二の地域。食文化も含め我々はそれを誇りとして自覚し、ブランドとして発信していくことで日本文化を体験できる貴重な地域として世界から注目される。民俗芸能を伝承してきたことが地域力の高さであり、防災力や真の教育にも繋がる。など、南信州の民俗芸能の持つポテンシャルを熱く語っていただきました。
事務局からの報告では、今後の基本的考え方を「醍醐味(真の価値)の普及と共感(響感)の輪の拡大」とし、推進するための9つの方向性が示されたほか、県からは、企業の皆さんに民俗芸能の継承を支援いただく「民俗芸能パートナー企業制度(仮称)」の導入の検討について報告しました。
↓県の取組報告
協議会が取組方針の中で特に重要と考えているのが、多くの子どもたちが民俗芸能を体験することです。その先進事例としてパネルディスカッションに先立ち、飯田市立竜峡中学校今田人形座と長野県阿南高等学校郷土芸能同好会による芸能の披露をいただきました。それぞれ見事な演技と生徒たちの熱意に会場は拍手の渦に包まれていました。
↓竜峡中学校今田人形座の発表 ↓阿南高等学校郷土芸能同好会の発表
パネルディスカッションは、東京文化財研究所名誉研究員の星野 紘さん、阿南高等学校教頭の福島良彦さん、新野雪祭り保存会長の金田昭徳さん、大鹿村教育長の大島博人さんの4人のパネリストと笹本教授のコーディネートにより、「南信州の宝「民俗芸能」を如何に次世代に伝承するか」をテーマに実施。子ども体験の取組実践の報告のほか、その必要性や醍醐味を伝えていく方策について討議いただき、子どもたちに“愉しさ”を伝え、“憧れ”として“やりたい”思いを育て、将来の担い手として育てていく重要性を確認いただきました。民俗芸能に関係するそれぞれの団体等が主体的に実情に応じた新たな取り組みを実践し、地域全体で取り組んで行くことが必要です。
長時間に渡る非常に内容の濃いフォーラムとなり、参加された多くの皆さんに南信州の民俗芸能の継承の意義を深く考えていただく大変有意義な時間となりました。
↓パネルディスカッション
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