信州魅力発掘人 信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

女猟師×皮革活用 vol.2

- 元手がかかるというのは?

牛革もですが、皮をなめすためには、業者にお願いする必要があります。そうすると、原価がかかってしまうんです。本当は捕獲したシカの皮を全て活用できるようにして、いろいろな人に使ってもらいたいのですが、お金との兼ね合いもある。生のものなので、夏場は大変ですし、環境を整えるのにも時間がかかります。

処理前のシカの皮

- 企画段階と、実際に活動をやってみて、ギャップを感じることも?

最初は正直、肉以外なら皮だ、という発想でした。昔から使われているものでもあるので、「皮ならいけるだろう」という感じで。活動が具体的になる中で、前段階というか、なめして使えるようにするまでにも問題があると気付きました。皮はある。でも活用できるようにするまでの間のことをちゃんとしないとうまくいかない。そこができれば、循環が生まれるんですけど。

- 素材として使えるようにするまでが、意外と大変なんですね。

3年目には、協力隊に新しく2人が入ってくれたので、一緒に活動を行いました。任期が終わり、昨年の春からは個人事業になりましたが、これだけで生計を立てるとなるとまだまだですね。

- 今後は?

まずは、事業として成り立つようにしていかないと。扱う皮の量を増やして、もっと活用してもらえるように働きかけていきたいと思っています。あと、今、村内に食肉処理施設を作っている最中で、今春に完成予定なんです。これまでは、シカを捕っても近隣の処理施設に持っていくまでに1時間以上かかっていました。ときどき、村でシカが捕れたらもらいにいくこともあるんですが、ちゃんとした施設がないので、私の家の冷凍庫にストックがたまる一方で(苦笑)。

- それは大変(笑)。じゃあ施設ができれば、活用しやすくなりますね。

肉も無駄なく循環できるようにしていきたいし、鹿肉を食べる人を、村の中にも増やしたいですね。県外に出していくのもいいんですが、せっかくなら近くに住んでいる人も日常的に食べてくれるようになればいいなと思います。


村内の食肉処理施設は、これまでも何度か計画されてはいたそうですが、実現には至らなかったとのこと。念願の食肉処理施設ができれば、「肉の活用もしていける」と、更なる夢が膨らみます。

PROFILE
1988年、熊本県生まれ。島根大生物資源科学部卒。2010年4月に泰阜村の「NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター」に就職。2013年4月、同村の地域おこし協力隊に就任し「けもかわプロジェクト」をスタートさせる。3年間の任期を終えて、2016年4月から個人事業として継続。

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