信州魅力発掘人 信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

雲の上のパン屋×ヒュッテオーナー×山 vol.1

- パン作りを教わることはなかったんですか?

どこかに修業に行ったわけではないですからね。ただ、うちに来るお客さんで、「パンを焼くなら教えてやるよ」と言ってくれる人や、餅つき機を改良してミキサーみたいに使えるようにしてくれる人がいて、助かりました。山には、いろいろな技術や情報を持っている人が集まってくるので。

- あ、言われてみれば確かに、いろいろな人が来ますよね。

ここに来れば、どんな人だって話をしてくれる。これが町中だったら…誰も返事してくれません(笑)。ここだと、いきなり話してもお互い、五分五分でしゃべれる気がする。それは、山小屋の特権ですね。

- じゃあ、自分で調べたり、お客さんに話を聞いたりしながら。

日本の窯もいろいろ試しましたが、空気と気圧の関係かやっぱりうまくいかなくて。でも、ヨーロッパだと、3000~4000メートルの標高でも、パンを焼いているんです。そういう道具が欲しくて、お客さんにも聞いていたら、大学の先生が「一度でいいからヨーロッパへ行ってこい!」と。

- それで、ヨーロッパに?

英語もしゃべれないのに、どうやって行くのって感じでしたが、先生が「ちゃんと行けるようにしてやる」って、手紙を10通も20通も書いてくれました。飛行機に乗るときにはこれを出せ、降りたらこれを出せ、そうしたら空港で日の丸持っている人がいるからそこへ行けって(笑)。

- ヨーロッパはどのあたりに?

スイス、フランス、イタリア、あとドイツにも行きました。窯を見て…まあ、残り90%はスキーでしたけど(笑)。それから帰ってきて、結局、平成になってからかな、ドイツから窯を取り寄せました。


自分で撮った写真を絵葉書にして売り出したり、切手シートを作ったりと、パン以外にもさまざまなことに取り組んできた高相さん。「山小屋は自給自足。いろいろな知恵を働かせないと」と笑います。そんな高相さんが山に携わるようになったのは…?次回に続きます。

PROFILE
1940年、山ノ内町・沓野生まれ。横手山頂ヒュッテの二代目。1981年に「日本一高いところの雲の上のパン屋さん」として手作りパンの販売を本格的に始めた。志賀高原の観光振興のためにも尽力。1959年に発足した志賀高原観光協会の救助部救助隊に長年所属し、7代目の隊長を務めた。

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