信州魅力発掘人 信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

林業×女性経営者 vol.3

「信州・松本平の豊かな風景をつくる」というコーポレートメッセージを掲げて、さまざまな取り組みを進める原さん。人々の暮らしの中にある里山の豊かさとは、何なのでしょうか?

山づくりは、地域づくり

- 一時期、山が荒れているという話も耳にしましたが、今はどうなんでしょう?

もともと日本では、木を必要に応じて切り出していました。放っておくと勝手に生えてくるので切る…というサイクルです。要は、山は自然がつくってくれるもので、人が手を加えて育てるものではなかったんです。「植えて育てる」という歴史があるのは、奈良県の吉野くらいじゃないでしょうか。ほかは早くて明治時代、ほとんどは戦後のことです。

- 森林を育てることは、してこなかったんですね。

サイクルがうまく回っているうちはそれでも良かったんです。でも、木を切らなくなったので、山がうっそうとしてしまい、光が入らず風通しも悪くなった。土壌にいろいろなものが堆積してしまい、結果、あまり強くないアカマツなどが真っ先に枯れてきた。このままの状況を放置していれば、ほかの木も枯れていくと思います。

- こうなると、自然に任せていてはダメなんでしょうか?

でも、放っておいても山になるというのは、地球上でこの位置に日本があるからであって、本当に恵まれていることなんですよ。山が木を育ててくれることに感謝して、それを最大限に活かす仕組みをつくりたいですよね。山の営みに合わせて、無理のない暮らしができるように。

- 昔は、バランスが取れていたということですよね。

だからといって、昔に戻れということではありません。今の時代にあった関わり方をしていかないと。

- でも、山との関わりって、あまり思い浮かびません…。

日本全体で見ると3分の2は森林なんですが、長野県は森林率が高くて約8割を占めているんです。でも、「山」というと高い山、登山する山のイメージになってしまうんですよね。山へ行く=登山、になってしまう。なぜかというと、この辺りの山、里山は所有者がいて、普通の人は入りたくても入れないからなんです。私たちとしては、もっと麓を見てもらいたいと思いがあります。

- でも、所有者がいるなら勝手に入れませんよね…。

個人の所有だから、今まではそこをつなげることができませんでした。特にこの辺りは所有者としても、持っているだけという状態が多い。今、里山が荒れてきていて、会社で相談を受けることもあるんですが、所有者に「どんな山づくりをしたいですか」と聞いても、「そんなのはわからない」という答えが返ってくるんです。持ってはいるけど、ときどき山菜を採ったり、薪を採ったりしていただけで、育てていたわけではないから。それで、こちらからいろいろと提案させてもらっています。

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