2016.03.24 [株式会社柳沢林業 代表取締役 原薫さん]
林業×女性経営者 vol.3
- どんなことを?
今、考えているのはなるべく人に通ってもらえるようにすることです。私たちのような業者だけが山づくりに関わっていたら、いつまでたっても人の関心は山に向かない。それでは困るじゃないですか。例えばここにふさわしい樹種を調べて、子どもたちが種から育てたり、花木を植えて、茶道や華道をしている人に販売したり。材木になるような木で、収入を得るだけではなくて、もっと地域の人たちが楽しめるような山づくりをしていきたいです。
- そういう山があると、地域の人たちにとってもきっと嬉しいですよね。
山づくりの活動は、地域づくりとイコールだと思います。それぞれの山は、地形や成り立ち、歴史も違う。そこにあるもの、そしてそこにいる人を活かすというのは地域づくりにつながっていきます。
- 地元の企業との取り組みもいろいろありますよね。
カラマツの森を生かして守る「信州落葉松(カラマツ)プロジェクト」や木を使う社会の仕組みをつくる「ソマミチ」など、地元の製材メーカーや設計事務所、工務店などと一緒に取り組んでいます。
信州落葉松(カラマツ)プロジェクトのメンバーと
ソマミチツアーにて
- 今後はどういったことを?
それぞれの地域やそこで暮らす人々に合わせたやり方で、進めていければいいと思っています。もともと「自然」は「じねん(=おのずからそうであること)」。山を基準にして、どんな暮らしをしていくのがいいのか、考えていきたいですね。「山を知りたい」という声も聞くようになってきたので、今、「ソマミチ」では山のツアーを企画していこうと思っています。人間、知恵がありますから、いくらでも工夫はできるはずなので。
狩猟免許を持つ原さんは、11月中旬からの3カ月間は、休みの日に猟に行くこともあるといいます。「いただきますの前には料理を作ってくれる人がいて、さらに命そのものがある。そこに思いを馳せることを大切にしたいです」。普段、遠くに感じる林業、そして森林も同じことなのかもしれません。長野県で暮らすことは、登山する山だけではなく、身近にある里山にも恵まれているということ。里山に目を向けることで得られるものは、きっと大きいはずです。
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