信州魅力発掘人 信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

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広い視野で情報を収集して、山を安全に楽しんでほしい

ヨーロッパアルプスなど世界の名立たる山にも登った経験を持つ栁田住吉さん。「ヒマラヤの懸垂氷河や山のスケールも素晴らしいが、四季のある日本の山の美しさもまた格別」と話します。火山である浅間山の魅力を改めて感じているという栁田さんに、県内の山の良さや、最近の様子についても伺いました。

動植物も浅間山の魅力の一つ

天然カラマツの群生

- 浅間山クラブはどのような活動をしているのですか?

現在の浅間山の地形は最終氷河期以降に形成されたので、標高の割に多くの高山植物を見ることができます。アサマモンキチョウ(ミヤマモンキチョウ)、アサマシジミといった蝶や、アサマブドウ(クロマメノキ)、アサマフウロなど、実は「アサマ」の名が付く動植物もたくさんあります。天然カラマツの群生も他ではあまり見られません。

浅間山クラブは、そんな自然を守っていこうという趣旨で、浅間山が大好きな人たちが集まって立ち上げました。メンバーは約30人で、地元の人を中心に、県内では上田や松本、県外では関東近郊の人もいます。遠方でなかなか参加できない人もいますが、浅間山が好きな気持ちは同じ。こちらに来るのを楽しみにしていて、来たときには一緒に作業しています。

主な活動は、環境保全や登山道の安全確認や整備、火山館の運営協力、情報交換や学習会などです。

- さまざまな活動をしているのですね。

例えばユキワリソウという高山植物は全国で見られますが、あれだけの量が群生しているのは県内でもそうありません。メンバーの中にユキワリソウの生態を研究していた筑波大学の先生もいるので、観察会を企画して、説明したり群生地に案内したりしています。

最近はニホンジカが上まで上がってきているようなので植生への影響やシカの数の調査などにも取り組み始めました。

- 栁田さんは、どのくらい浅間山へ行っているのですか?

以前は月に3回程度でしたが、3年前に市役所を退職してからは、周辺の山々も含めると年間80~90回くらいでしょうか。オンシーズンの7~8月は月に10回くらいは登っていると思います。2012年にNPO法人浅間山麓国際自然学校のインタープリターにも登録したので、ガイドとして行くこともあります。

- 最近、山の様子はどうですか?

山に来る人は増えましたね。昔は50代から60代、中高年の人たちしかいませんでしたが、7~8年前から山ガールのブームがあって、ここ2、3年は若い男性もよく見かけるようになりました。若者が増えたことはとても嬉しいですね。最近は皆さん、装備はしっかりしているので、あとは情報面でもインターネットだけに頼らず、幅広く収集してもらえるといいですね。

- インターネットの情報だけでは不十分ですか?

小屋の空き具合や予約などはインターネットでいいのですが、山の情報収集にはもう少し視野を広げてほしいですね。個人のブログや自分が登ったルートを投稿できるウェブサイトの情報を見て、自分も同じように行けると考えるのは危険です。失敗したことや途中で断念したことには触れずに、良い記録だけを載せていることもありますから。複数の情報を見て、地図を見直して、自分に合った山登りをしてもらえればと思います。

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