2016.02.22 [ 生物多様性 ]
「信州の生物多様性保全にかかる協定締結式」を行いました。
皆さんこんにちは自然保護課のブログ担当はやまゆです。
2月19日(金)に長野県庁において「信州の生物多様性保全にかかる協定締結式」を行いました。
この「信州の生物多様性保全にかかる協定」とは、支援を求める市民団体と環境に関心のある企業等の技術や資金提供といった貢献活動を長野県がマッチングし、保全活動を協働で行う仕組みです。
こうした支援の仕組みが必要な背景には
約10年ぶりに改訂した県版レッドリストで絶滅のおそれのある種が259種追加され、生息環境の厳しい現状が明らかになりました県内では、様々な市民団体が自然環境の保全活動に取り組んでいますが、資金など個々の取組では限界もあり、積極的な保護活動を展開するには、技術や資金面などの支援が必要となっています。そこで、長野県では、市民団体と企業などが協働して保全活動を行い、生物多様性の保全を社会全体で支え合う仕組みづくりを進めています。
今年度2回目となる協定締結式では、次の3つの協定を締結しました。
「楽天株式会社」と「長野イヌワシ研究会」と「長野県」との生物多様性保全パートナーシップ協定
楽天株式会社は絶滅危惧種のイヌワシ保護に必要な経費の一部を5年間支援し、長野イヌワシ研究会は巣棚の補修や人工給餌による繁殖環境の改善に取り組みます。長野県は、両者の取組の連絡調整や広報活動を行います。
イヌワシは楽天イーグルスのマスコットであることから、楽天株式会社は東北など21道県を中心に「イヌワシを守ろうプロジェクト」を展開し、イヌワシの生息環境整備を支援しています。長野イヌワシ研究会の保全活動を昨年9月開催の「人と生きもの つながり創生 全国フォーラム」で知り、その活動に感銘を受けたことからご支援をいただく運びとなりました。
今回、都市部の大手企業との協定締結は初です。今後の県内外の企業の皆様の支援にも期待しています。
「京浜急行電鉄株式会社」と「株式会社長野京急カントリークラブ」と「長野県」との生物多様性保全パートナーシップ協定
京急カントリークラブの売上金の一部を環境保全のため県に寄付していただき、県は市町村を通じて子どもの環境学習活動等を支援する予定です。
京浜急行電鉄株式会社は、飯綱地域で長野京急カントリークラブを営業し、環境に優しいゴルフ場経営を目指しています。地域で事業を営む企業の責務として長野県の豊かな自然環境を未来の世代につなぐ活動に参加することにご賛同いただき、ご支援いただくこととなりました。
今回、小中学校等の環境学習活動など次世代の育成に対する支援は初となります。
「国立環境研究所」と「長野県」の高山帯モニタリングに関する基本協定
国立環境研究所では高山帯等にモニタリングカメラを設置し、地球温暖化の影響等を把握していますが、撮影データを山岳環境の情報としてリアルタイムで提供することで、安全な登山や希少種の状況把握に活用することとしています。
長野県としましては今後も、信州の豊かな自然環境を次世代へしっかり引き継いでいけるよう、企業や学校等様々な団体の皆様のご要望についてマッチングを図ってまいりますので、この事業に関心のある企業、学校、団体等の皆様、是非下記までご相談ください。
長野県環境部自然保護課自然保護係
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環境部 自然保護課
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