暦では立春を過ぎましたが、まだ寒い日が続きますね。春はもうそこまで迫っているのでしょうか…
こんにちは!林務課のアベベです。
このブログでは雪国名物「雪下ろし」にまつわる長野地域振興局林務課のちょっぴり過酷?で愉快な行事をご紹介します。
当課では長野市の戸隠森林植物園施設の維持管理を行っています。
春から夏にかけては水芭蕉が美しく咲き、様々な野鳥も観察することができる戸隠森林植物園。ハイシーズンにはたくさんの方が訪れてくださる心地よい場所です。そんな戸隠森林植物園ですが、冬の時期、厳しい試練がやってきます。
植物園内にある、トイレやあずまや等の屋根に雪が積もり、倒壊の可能性が出てきてしまうのです!倒壊してはたまらないので屋根に積もった雪を下す「雪下ろし」の作業を行います。
ここ2年は暖冬の影響もあり、雪下ろしは行っていませんでした。無事建物と職員の腰は守られてきました。はたして今年度の雪は・・・
調査隊(林務課職員)が派遣され12月12日調査スタートです。
この日現場では積雪40㎝程を確認しました。この程度であれば雪下ろしはまだ必要ありません。一安心
次いで12月25日、2度目の調査に向かいます。記録は・・・
なんと積雪80㎝程。まだまだ雪下ろしの必要はありません。平和なクリスマスでした。
年末年越しを挟んで1月16日植物園を訪れると・・・
積雪120㎝、ついに1mを超えてきました。
雪下ろしの必要性が出てきました。来る1月30日を雪下ろし作業日と定めました。計画を立て、林務課で人員を募ると、豪雪地の百戦錬磨の雪かき名人をはじめとする強力な助っ人が多数名乗りを上げてくださいました。
ここで事件が起きます。1月29日のニュースに、翌日30日は警報級の大雪だという発表が...このまま強行するのは危険と判断し、雪下ろしの日程を延期することにしました。
ところが2月頭には記録的な暖冬の日が続き、雪下ろしの必要性がなくなる可能性が出てきました。雪下ろしに向け燃え盛っていた情熱は、暖冬とは裏腹に冷え込んでいくのでした。
しかしながら2月の中旬には大寒波が到来、再び雪の降る日が続きました。これは・・・ついに・・・雪下ろしが行えるのでは!? 2月21日を雪下ろしの作業日に改めて定めました。まずは前日の20日、雪下ろしに向けて準備に取り組み始めました。
雪下ろし助っ人部隊を戸隠森林植物園に派遣するためには、現地に車を停めておくスペースが必要です。戸隠では、市道や国道には除雪車が入り車の通行は可能です。しかし、それ以外の場所は雪が雪壁となってそびえ立っています。2mはあろう雪壁を、除雪機を使用することで駐車スペースをなんとか確保。いよいよ雪下ろしの準備が整いました。
21日はほぼ無風で少し雪が舞う程度の穏やかな日和でした。前日作業のおかげで確保できた駐車スペースに車を停め、各自スコップやスノーダンプを用意していざ戸隠森林植物園へ!
作業に入る前に(まだ皆さん元気なうちに)集合写真を一枚。作業の安全と団結を祈ります。
ここからは屋外公衆トイレ班、野生生物観察小屋、植物園あずまや、森林学習館入口通路の4班に分かれて・・・いざ!作業開始です。
屋外公衆トイレ(作業前) 屋外公衆トイレ(作業後)
野生生物観察小屋(作業前) 野生生物観察小屋(作業後)
植物園あずまや(作業前) 植物園あずまや(作業後)
森林学習館通路(作業前) 森林学習館通路(作業後)
積もりに積もった屋根雪は背丈を超えています。雪庇に気をつけながら雪下ろしを始めていきます。ここ数日で積もった雪はまだ柔らかくスコップもサクサク入っていきます。スコップを雪の面にまっすぐさして四角い雪のブロックを作るイメージで行うことで、表面からおよそ1mほどは快調に雪下ろしが進んでいきました。1mを超えると、だんだんと上に積もった雪で圧雪され硬く締まった雪の層が現れます。この雪の層が強敵で、氷のように重く、スコップも簡単に入らなくなります。
四苦八苦しながらなんとかケガ無く、無事作業を終えることができました!
厳しい寒さのなかでの作業でしたが、冬山と雪の魅力を存分に感じることができました。ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。
4月になると雪もすっかり溶け、新緑が芽吹き始めます。ぜひ戸隠森林植物園にて、春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか?
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