教えたいけど教えたくない店ってないかな。
好きな店には末永くやってもらいたい。そのためにはもちろん、大勢お客が来て儲かって欲しい。
だけど、気持ち的には自分の隠れ家っていうか、ほら。
お久しぶり、はじめましての人もどちらもようこそ。松本林務課のHです。
6月某日の長野県松本市。小雨。
おれが大好きな中町通りの先、イオンモール松本に抜けてゆく日の出町通りに向かう途中にその店はある。
通りにはカフェに洋食屋、レコード店、ワインバー、ギャラリーなど、個人経営の個性的な店舗が並ぶ。
その中で「フレンチ惣菜店」という、これまた個性的な店が今回のお店「フランス惣菜 Le Nid – ルニ」さんである。

総菜?総菜って、おかずとかのあれでしょ?
そうだよ、おかずとかのあれだ。ただし、ちょいと贅沢なフレンチのおかずである。
買って帰って夕飯にでもするのかい?
いいね。入ろう。
ところでルニってのは鳥の巣って意味だそうで。
お店の方も「お家のような場所を目指して」と言っていた。
たのも~う。(御免下さい)

店内、品揃えはこんな感じ。
豚肉ペースト(右下)買ってパンに挟もうか。ベーコンとタマネギのキッシュ(左上)もいけるし買っていこう。発酵バターのサンドイッチも店頭で作ってくれるから、お願いしとこう。
でも昼飯が先だな。
昼飯?ほかの店で外食かい?寿司屋に洋食いろいろ近いけど。
何言ってんだい、この店で食うんだよ。
え!?
そう、この店はSNSで特に宣伝もせずひっそりとランチをやっているのである。
特に教えたくないのはこのランチ営業の存在だ。
だが、宣伝の少なさから察するになぜか店側もあまり積極的には教えたくないんじゃなかろうか。ほぼワンオペだからか、多分。
この店が松本に誕生したのは2016年秋。
もう10年も経つ(知らなかった)が、当初はランチ営業をやっていなかったらしい。
いつ始まったかは知らないが、最近かも。
ランチタイム、よく見れば黒板にメニューもある。

やっている日は水~金曜(口頭確認)時間は12:00~13:30まで。ディナーはない。
まれにランチ土曜営業の日も目撃したが基本、平日しか行けない。
公務員には機会が希少な店だ。

注文を店頭で済ませ、飲食スペースに向かう。左手奥に解放されたドアが見える。
柔らかいオレンジ色の明かりが点いている。
これは単なる居住スペースじゃないのか?行っていいのか?と思わせる隠れた階段、これを登っていくのだ。

登った。

2階、自然光に白壁が映える明るい部屋に2名席のテーブルが4つ。
しかし外は雨。貸切状態だ。嬉しい。

部屋のあちこちにドライフラワー的なものが飾られている。オサレ。

席についてしばらくすると、前菜の登場。
リンゴジュースとサラダ。
生ハムの下にウフマヨ(ゆで卵マヨネーズ)とパプリカ炒めが隠れている。パンはナチュールサワダ製のバゲット。

散らかっていてすまない。
パンを切って開いているのは中身を挟んで簡易サンドイッチを作るためである。
生ハムがうまい。かたいパンが好きなおれは前菜と言わず正妻にしてもいいな。

この日の選択は「仔羊のソテー、オレンジ風味の粒マスタードソース」。
羊特有の匂いも薄く肉も柔らかく、塩気はおれ好み。
羊の匂いを嗅ぐと日暮里のザクロのケバブと「自称日本一ウザい」オヤジを思い出すなあ。オヤジの口癖は「かかってこい」。
しょっぱくてうまい。何気に付け合わせのカブもうまい。
野菜はどれも毎度素揚げしてたりするんですよ。肉の下にはマッシュポテトが敷いてあるが、これもうまい。

いつかの昼食。
この日もメニューにあったジビエ、阿智村の鹿モモ肉ステーキ。
お好み岩塩で塩気を調整するスタイル。細長く切らない揚げたおいもが好き。
マスタードはあまり辛くないからたくさん食える。なんてお得!(デブの発想)
鹿肉は処理が上手なのか、匂いもなく肉も柔らかく瑞々しい。
ジビエは下処理が命だと聞いたからなあ。

これまたいつかの昼食その2、「鶏モモ肉のファルス(包み焼き)」。
具はマッシュルームとチーズ。しょっぱくてうまい。
パンもおかわりだ。野菜はこれまた素揚げ。

いつかの3度目。エイヒレムニエル。
パセリ・レモン・バター・アーモンド・ケッパー(グリンピースみたいだな)・トマトが乗っている。この店は魚が実にうまい。
ともあれ今回は仔羊を食った。

おれは満腹となり、なんとなくうろうろした。
この日は雨が続いており、客も一人しかいなかったため「雨だし是非ゆっくりしていってくださいね」と感じのいいご主人に言われたからだ。

なんかあるね。
デザートか。見落とすところだった。
まずは、アーモンドとラムレーズンのアマンディーヌ。ショーウィンドウにあったタルトっぽい食い物だ。
あとは栗のクレームブリュレ?プリンみたいなやつだろう?プリンみたいなやつはなんでも好きだ。でも栗はそんなに好きではないなあ。栗か。
自ら進んでは頼まない食材だ。
皆にもないだろうか、嫌いではないが進んで食うほど好きではない食材。それがおれは栗であった。

追加で頼んじまった。冒険したかったのか?おれは。
しかし表面の光沢が美しい。クレームブリュレは持ち帰りがなく、2階レストラン限定で提供とのことである。

硬いカラメルの層を砕いて中を掬う。
ふーん。カラメルもカスタードもなかなかじゃないの。
でも底に栗か。上だけでもいいかな。
栗だしな。栗か。味がにごる(山岡士郎)かもしれないな。
でもちょっとだけ味見だ。栗だけど。あれ、個人的に好まない栗のくせに妙に後を引く。栗は安曇野産だとか言っていたな。粒が残っている。しかし妙にうまい。個人的にはそこまで好まない。私は決して好まない
…うまい!うまい!うまい!
気が付くと正気を失いかけていた。
まさかここでこの日いちばんの感動が得られるとは。特に好き好まない栗がうまい。栗だぞ、栗。ああうまい!
栗だいすき!!
…ああ器は舐めたよ!好きに言うがいいさ!
【フランス惣菜 Le Nid – ルニ】
住 所:〒390-0811 長野県松本市中央3丁目11−18
営業時間:11:30〜18:00
休業日 :日曜日、月曜日
電話番号:0263-55-8967
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