2018.02.28 [ 林業総合センター ]
生存競争の痕跡
林業総合センターです。
立春を過ぎて2月も終わりとなると、日差しは強くなり、屋根に積もった雪も徐々に解け始めています。
この季節になると、林業総合センターに春を告げるマンサクの花が咲きはじめる頃ですが、今年はこのブログを書いた2月26日の時点ではまだマンサクの開花には至らず、春が待ち遠しい季節です。
まだまだ寒い季節とはいえ、この季節も森の生き物たちは活動をしており、構内の道路を歩いていたら、足元で青く光る羽根が落ちていました。
ふと立ち止まって周囲を見回してみると、道路から森の中にかけて、羽根が点々と落ちています。
落ちている羽根はそのほとんどが、左右のかたちが異なる翼の羽根で、羽毛布団に入っているような細かい羽は落ちていません。
少し拾い集めてみると、どれも左側の翼ばかり。
羽根を持ち帰って調べてみると、どうもオナガの羽根。
オナガは、中部地方から北の、人家の近くや農耕地など開けた環境を好む鳥で、あまり森の中で見ることはありません。
林業総合センターの中に棲む鳥を10年ほど前に調べた時には、オナガを確認していませんでしたし、最近でもオナガの鳴き声を聞くことはありませんでした。
オナガの羽根が落ちていた周囲を少し歩き回ってみましたが、オナガ特有の長い尾羽などは見つかりませんでした。
それでも、片方の翼の羽根が大量に落ちていたということは、残念ながらこのオナガは誰かの餌になってしまったのではないかと思われました。
林業総合センターの森には、オナガなどの鳥を捕食する猛禽類としてフクロウやオオタカなどが棲んでいます。
実際に何が起きたのかはわかりませんが、森の中を歩いてみると、そんな事件にも出会うことができます。
春の足音が聞こえてくる季節になりましたので、そろそろ山の中へ春を感じに出かけてみませんか。
林業総合センターにある森林学習展示館は、月曜日と祝日の翌日を除き、土曜日、日曜日も9時から16時まで開館しております。
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