2016.12.12 [ 林業総合センター ]
来年も来てくれるかな
長野県林業総合センター 森林学習展示館です。
森林に囲まれた林業総合センターでは、年間を通じて30種類以上の野鳥を見ることができ、季節によって訪れる野鳥や短期間だけ確認できた野鳥も含めると、県内で観察できる野鳥の2割強が当センターの森で観察できます。
年間を通じてこの森で観察できる野鳥は、ここで子育てをしていますが、子育てにふさわしくない環境になると、どこかに飛んで行ってしまうこともあります。
森林学習展示館で行っている「森林教室」でも、野鳥の観察をテーマにした教室を開催していますが、そためには、いつでも鳥が来てくれる環境を維持しておく必要があります。
ある年のこと、当センター構内でフクロウが営巣しているのを発見しました。そこで、翌年も観察していたのですが、残念ながら、見ることはできませんでした。
その後もなかなか見かけることがなかったので、もしかしたら、フクロウが巣とする木がほとんど無いのではと考え、フクロウの巣箱を作り森の中に設置したところ、すぐに巣箱を利用して子育てをしてくれるようになりました。このときに撮影したヒナの様子を写したものがこの写真で、現在も森林学習展示館に展示されています。
その後もいくつかの巣箱を架けて様子をみていたところ、フクロウの親は、私たちが架けた巣箱を気に入ったようで、毎年のように巣箱に来てくれるようになりました。
とはいえ、毎年同じ巣箱では気に入らないらしく、場所を変えていますので、年による好みのようなものがあるかもしれません。
ここまで気に入られている巣箱ですが、何年かすると朽ちてしまい、更新する必要があります。
この秋のある日、古くなってしまった巣箱が多くなったということで、新しい巣箱に架け変えることにしました。
体長 20cm程度のフクロウですが、案外大きな巣箱が必要で、地上で見ると、こんなに大きなものです。
フクロウは地上で子育てはしてくれないので、木の上にこれを持ち上げる必要があります。今回は、写真のように高いところへ登るのが得意な職員がハシゴを使って木に登り、下から巣箱を吊り上げて、幹に括り付けました。
フクロウは真冬の頃から、翌年の子育て場所を探すと言われています。もし、今回の新居を喜んでくれれば、またご紹介したいと思います。
子育て中のフクロウは、警戒心が強く、巣に近づくだけで人間が襲われてしまいますので注意が必要です。春から初夏にかけてのフクロウが子育てをしている時期は、写真のような大きな巣箱を見かけても決して近づかないようにしてください。
フクロウの巣に近づいただけで、後頭部を襲われた人もいるようですし、最初に紹介した写真を撮影した職員も、巣から離れた木に登って隠れていたにもかかわらず、母親の攻撃を受けて木から落ちそうになったとのことです。
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