2019.09.03 [ 計量検定所 ]
「世界標準 時代を計るものさし【年縞】」特別展開催中!
計量検定所の計量ボーイ2号です。
「東洋計量史資料館」(松本市埋橋)で、令和元年8月20日から開催されています特別展についてご紹介します。
◇奇跡の湖「水月湖」の年縞
「2012年7月、パリのユネスコ本部で開催された『第21回国際放射性炭素会議・パリ2012』で、『日本はすごいぞ!』と叫びたくなる決定が下された。福井県若狭町の水月湖(すいげつこ)の年縞(ねんこう)が、世界の歴史の標準時となったのだ。」
(山根一眞著『歴史の物差し-水月湖の年縞』から抜粋。中学2年生国語の教科書に掲載。)
「年縞」現物(10849年前~9924年前の部分)
水月湖の湖底から7万年の歳月をかけて静かに乱されることなく沈殿した45メートルの地層が掘削されました。1年で一つの縞模様が形成されており、これを「年縞」と呼びます。
7万年分のこのような地層が掘削されたのは世界初です。
「年縞」(拡大)0.5~1mmの幅の縞が1年分
化石や遺物の年代を調べるための放射性炭素年代測定は、動植物などに含まれる放射性炭素(炭素14)という物質を利用した年代測定方法です。
水月湖の年縞は、過去7万年にわたって途切れなく堆積しているため、年輪と同じように縞の数を数えることで、いつの年代のものか分かります。また、年縞に含まれる葉の化石の炭素14の量を測定することで、その葉が落ちた年代の炭素14の量を正確に測定することができました。
これにより、世界のどこかで発掘された遺物の炭素14を、水月湖のデータと対比することで、いつの年代のものかが分かるようになりました。
こうして、水月湖の年縞は、考古学や地質学、地球の環境の推移を知る研究において欠かせない、世界標準の「歴史の物差し」となったのです。
特別展オープニングセレモニーでテープカットする「福井県年縞博物館」山根一眞特別館長(写真左)
年縞について解説する「東洋計量史資料館」土田泰秀館長
「東洋計量史資料館」では、年縞を展示している「福井県年縞博物館」の協力を得て、この年縞の7万年分のデータと、一部、約1000年分の年縞現物を展示しています。
特別展の会期は約1年半、この機会に地球数万年分の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
≪福井県年縞博物館HP≫
http://varve-museum.pref.fukui.lg.jp/
≪東洋計量史資料館HP≫
http://br.toyo-keiki.co.jp/toyokeiryoushi/guide/guide02/guide.html
◇東洋計量史資料館の紹介
東洋計量史資料館には、国内外の「計る・測る・量る」事に関わる、貴重な度量衡機器が展示されています。
所蔵数は1万2千点に及び、国内最大級の計量史展示館です。
常設展示
メートル原器・キログラム原器(複製)
◇「東洋計量史資料館」見学のご案内
場 所:長野県松本市埋橋1-9-18
予 約 制:(問合せ・予約)TEL 080-9741-3795(担当直通)
入 館 料:大人(高校生以上)/500円
小人(小・中学生)/200円
※小学生未満 無料
開館時間:10:00~16:00(最終入館15:30)
東洋計量史資料館(全景)
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松本地域振興局 総務管理課
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